第27話
スマホを力なく落とし、私は先生に向き直って、その唇に食らいつく。
「んっ、ンんっ、はっ……」
「熱烈は歓迎だが……見つかるかもしんねぇの、分かってるか?」
「先にスイッチ入れたのは、先生でしょ?」
「まぁ、な……こっち来い」
先生に手を引かれ、部室の裏の茂みに連れ込まれる。
もう準備万端な私の中に、先生が入ってくる。
「声、出すなよっ……」
「む、りっ……あぁっ……」
「クソっ……」
唇に噛み付くみたいなキス。
興奮が体を支配して、先生からの快楽を全身で受け止める。
「ふっ、ぅんンっ、んっ、んっ……」
「中っ、締めすぎっ……だっ、ぁ、やばっ……」
「奥っ、きもちっ……ぁっ……」
先生にしがみつき、激しく揺さぶられ、私は簡単に絶頂を迎える。
「おら、まだ終わりじゃねぇぞっ……」
更に追い立てられ、私は必死に声を出さないように先生により強く抱きついた。
その後の事は、もうほとんど覚えてないくらい先生に夢中で、明彦の事などすっかり消えていた。
明彦、私はこんなに汚くて、最低で、貴方が必死に縋り付く様な価値なんてないんだよ。
だから、私なんかより貴方を大事にしてくれる人と、幸せになってね。
部室に戻る道を歩きながら、私は明彦に最後のメッセージを送った。
これでもう、彼と私に接点はなくなった。
「彼氏どう?」
「うーん、どうかな。分かってくれたらいいんだけど」
私は最後に聞いた明彦の声を思い出し、苦笑するしかなかった。
「でも彼、ベッタリな幼なじみがいるんだし、大丈夫なんじゃないかな」
含んだような言い方で姫乃が言う。
綾坂さん。彼女は喜ぶだろう。彼が自分の元へ戻って来る事を。
戻ってくれば、の話だけど。
そもそも、明彦の気持ちは本当に“妹”なんだろうか。
私がどう考えたって、彼の気持ちは分からないけれど。
ただ、あの二人が纏まるのが、誰にとっても一番いいのではと考えてしまう。
そうじゃないと、また私のようになる人がいないとも限らないから。
なんて、私は自分に都合のいいように言い訳しているだけだけど。
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