第37話

熱い息と舌の感触に、指の刺激も重なり、もはや私は声を抑える事が出来なくなっていた。



「声出した方が、気持ちよさが全身に回りやすいでしょ?」



「わか、なっ……ぃ、あぁっ……」



「すっげぇ、可愛い……」



頭がぼんやりして、まるで遠くから蓮君の声がするみたいな錯覚さえ覚える。



そんな中、新たな刺激が違う場所を襲う。



胸の時とは違い、更に強い刺激に体が魚のように跳ね、声が高くなる。



「あぁっ、やっ、あっ……」



指が下着越しにソコを撫でるだけで、面白い程に反応を示す私の体。



自分ですら、こんな場所を触った事はないのに。



「下脱がせるから、腰浮かせて」



言われるがまま、私はお尻と足に抜けていた力を込めて腰を浮かせる。



慣れた手つきで下着が脱がされ、私はついに一糸纏わぬ姿になった。



同時に、蓮君も肌を露にした。



着痩せして見える蓮君の体は、想像よりしっかり鍛えられていて、綺麗で見惚れてしまう。



「男の体なんて見ても面白くないよ」



私はそう言って軽く笑う蓮君の、腹筋部分に指を滑らせた。



「ふっ、くすぐったい。何? 触りたいの? いいよ。好きなだけ触って。俺もいっぱい触るから」



胸、みぞおち、お腹に指を這わせて、そして、初めて見る男性のソコに、私の目は恥ずかしくも釘付けになってしまう。



「意外と大胆なんだ、冴香」



言った蓮君が、私の手に触れる。



「嫌じゃないなら、触ってみる?」



私は喉を鳴らして、ゆっくり頷いた。



膝立ちの蓮君の前に座り、私は恐る恐る、上を向き始めている蓮君の男の部分に、手を持って行く。



何だか、不思議な感覚に、つい夢中になってしまう。



「んっ……はぁ……」



指を滑らせた後、両手で包むように持ち、撫でると頭上から蓮君の甘い声が聞こえる。



少しでも蓮君が気持ちいいと思ってくれる事が嬉しくて、私は少し勇気を出してみようと思う。



実は、何もかも彼にばかり任せるのは申し訳なかった私は、少し知識を付けようと頑張ってみた事があった。



他人からすれば、大した事はないかもしれないけど、私にはそれが精一杯だった。



私は、手の中にある蓮君の熱い部分に、ゆっくりと唇を近づけた。



「ちょっ、冴香っ! まっ、冴香がそんな事しなくて、ぃってっ……っ……」



焦りを口にした蓮君を無視して、私は口内いっぱいに入った蓮君の昂りに刺激を与え始める。



「っ、やばっ……はっ、ぁ……冴、香の、舌、んっ、熱くて……」



耳に届く蓮君の甘い喘ぎと、耳と髪を撫でられる気持ちよさに、私の脚の間の部分も疼き始めて、無意識に脚を擦り合わせる。



「冴香、気づいてる? 腰、揺れてる。俺の咥えて、感じちゃったの? やらしいね……」



恥ずかしい言葉を言われ、知らなかった真実に気付かされ、体が更に熱くなる。



「じゃ、お返しするね」



「蓮、くっ……」



「ほら、冴香も続けて」



蓮君の昂りに触れたまま、私は横に体を倒して、その拍子に蓮君が素早く私の脚の間に体を滑り込ませた。

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