第36話

肌を滑る蓮君の大きな手。



優しいキスと甘く漏れるお互いの吐息に、緊張も少しづつではあるけど、解れて来る。



蓮君の唇が首筋から鎖骨へ降りると、いつの間にか胸を隠していたブラが外されていた。



「こら、隠しちゃダメだよ」



「で、でも、その……私、あんまり大きくない、から……」



「大きさなんて関係ないよ。誰のかってのが重要」



言って、蓮君に胸を隠す手を避けられる。



成長してからは、家族にすら見せる事のない場所が、好きな人に見られているという羞恥が、私の顔を熱くさせた。



しかも、蓮君は凄く見つめるものだから、その恥ずかしさは半端ない。



「あ、あんまりっ、ジッと見ないでっ……」



「ヤダ。今日はちゃんと、しっかり冴香の体を目と頭に焼き付けるって決めてるから」



大した体でもないのに、そんな事しなくていい。



「触るよ」



一つ一つ報告しながら進める蓮君に、私はただ頷くしか出来ず、初めての体験をしていく。



「あっ……っ……」



包まれた片方の胸が、ゆっくり揉みしだかれ、手の平に突起が擦れて声が出た。



初めて聞く自らの喘ぎに、驚きと羞恥が襲いかかる。



「ふっ、ぅ……」



手で口を押さえると、またも蓮君の抗議の言葉が放たれた。



「声抑えるのもダメだよ。俺だけしか聞いてないし、聞きたいから全部聞かせて」



恥ずかし過ぎて、どうにかなりそうだ。



覚悟して来たとはいえ、こんな事でこの先進めるのか不安でならない。



再び胸に戻る蓮君の顔が、もう片方の胸に近づいて、あろう事か、突起を舐め上げた。



「ひぁっ!?」



驚きと初めての感覚に、思っていたより声が出てしまう。



そんな私をよそに、蓮君はそのまま突起を口に含み、まるで飴玉の味でも楽しむかのように、口内で舐めたり吸い上げたりしている。



その度に、私は新しい刺激に体を震わせた。



それでもやっぱり恥ずかしさで、声を出す事に躊躇いを覚えていた私は、何とか声を堪えながら、漏れる声を最低限に留めていたのに、蓮君は私を追い詰めるように、揉んでいた方の手をずらし、指で突起を撫でて、突然爪で引っ掻いた。



「ぁ、っぅあっ……」



両胸の刺激は止まらなくて、私は体をビクビクと震わせながら、身を捩る。



さすが経験者というか、自ら上手いと宣言するだけあるというか、蓮君はありとあらゆる方法で、私に快楽を与えて来る。



段々刺激が強くなり、私は抗う事が出来なくなって来ていた。

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