第18話

戸惑っているであろうグラウス様を尻目に、私は歯痒くなり自ら腰を揺らして、グラウス様のソレを、濡れて誘うソコへあてがった。



「あー、クソっ……もう今更止まらないからなっ!」



グラウス様にしがみついたまま、位置を合わせるように腰を引く。



「痛かったら、引っ掻くなり、噛み付くなりしてろ……入れるぞ」



ゆっくり入ってくる感覚の後、圧迫感が訪れるけれど、思った程痛みはなかった。



「っ、はぁっ、キツっ、締めすぎだっ……」



「ああぁっ、何っ、これぇっ……」



入ってきただけで快感に震えるのに、ゆるゆると動かされるのがもどかしくて、もっと動いて欲しくて、腰を前に進める。



「やだぁ……もっとっ、動いてっ……もっとぉ……」



快楽を求め、グラウス様を求め、何もかもがぐちゃぐちゃで、自分でも何をして、何を言っているのかすら分からない。



声を抑える事すら、私にはもう頭になかった。



熱に浮かされた私に理性なんてものは、存在しない。



頭が溶けるみたいに、夢中になる。



「エラいもんに、ハマっちまったっ、はっ、みたいだなっ、んっ……ぁあ……」



「グラウス様っ、もっ、気持ちよく、ぁ、なって、ンっ、ますか? あっ……」



「ははは、人の心配するとかっ、えらく、余裕がっ、あるんだなっ……もちろん、気持ちいいよ……」



「よかった……あっ……」



肉がぶつかる音と、水音が混ざって耳を犯す中、私の耳に他の音が聞こえる。



―――コンコン。



ジェードだろうか。本当に心配性なんだな。



「グラウス様、まだいらっしゃいますか?」



「マズイなっ……これは、危機的状況ってやつだなっ……」



「ひ、ぁ、今、動かしちゃ、ダメっ……声、出ちゃっ……ンっ……」



意地の悪い顔でゆるゆると腰を動かし始めたグラウス様の胸に顔を埋めて、突き上げられながら口を押さえて、必死で声を抑えようとする。



「グラウス様?」



「あー、すまない。長居してしまって。お姫様が、なかなか離してくれなくてね。なぁ、セレア……」



「名前……耳っ、やぁ……」



囁くように名前を耳元で呼ばれ、背中がゾクゾクして、肌が粟立つ。



「中、締めんなっ……」



扉の向こうにジェードがいるのに、動くのをやめるどころか、激しくなって行くばかりで、声が我慢しきれずに漏れ始める。



「ほら、声っ、はぁっ……そんなに大きな声出したら、執事君にっ、んっ、バレるぞ?」



首を必死に振って、涙で滲む目でグラウス様を見て懇願する。



「エロい顔で見つめるな……執事君の前で、執事君の大事なお姫様はっ、はぁはぁっ、俺にこんな事っ、されてっ、んっ、いい声で、啼いてるんだって……ぁっ……自慢したく、なるだろう……」



そんな楽しそうな顔で意地悪な事言われたら、ゾクゾクしてしまう。



バレてしまうと思うと怖いのに、何処かでバレるかも知れないという状況に、快感を覚えてしまっている。



「何かお飲み物でも……」



「いや、もう少ししたらっ、帰らせてもらうよ……お姫様も、はぁ……そろそろ限界みたいだし、なっ……」



「そう、ですか。では、失礼致しました」



ジェードの足音が遠ざかり、聞こえなくなった瞬間、グラウス様の腰の動きが一気に早くなる。



喉が引き攣るような感覚で、体を仰け反らせて達しても尚、激しく突き上げられて、何度も絶頂を迎える。



声はもう、抑えられる事はなかった。



バレるとかバレないとかは、もうどうでもよかった。



「あぁっ、あっ、グラ、ウスっ、様っ、ふっ、はぅっ、んあぁっ、またっ……」



「俺もっ、もうっ……ぁっ、はぁ、はぁ、出そうだっ……くっ」



抱き合う体勢で、下から強く突き上げられて、一気に上り詰めた。

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