第21話

そのままベッドへ連れて行かれ、優しく寝かされる。



「ま、待ってっ……かいっ、りっ……」



「待たねぇ。煽ったの、お前だろ……」



「そんなっ……あっ……ゃ……」



シャワーくらいは浴びたかったのに、こうなってしまったら、もう海吏を止める事は、私には出来ない。



観念するしかなさそうだ。



「抵抗はやめたのか?」



「しても、無駄って知ってるから……」



「さすが、分かってんじゃん」



ニヤリと笑い、優しいキスが降る。



何度か触れるだけのキスから、啄むようなキスに変わり、その甘さに溶けていく。



「瑞葵……好きだ……」



「私も、海吏が好き……」



言葉にすれば、すんなりと気持ちが違和感なく自分の中にストンと落ちてくる。



深く口付けられ、それを受け入れるかのように少し唇を開けば、熱い舌が差し込まれてあっという間に、舌を絡め取られる。



ねっとりと絡みつく舌の感触に酔いしれ、何度も角度を変えてキスをせがむ。



「お前の全部が俺のもんだと思うと、顔が緩むわ……」



照れたような、素直な笑顔に心臓がうるさくなる。



こんな顔して笑うのも、私しか知らないんだと思うと、私まで嬉しくなって笑う。



「ごめん、ちょっと今日はゆっくりしてやれねぇかも……」



「うん、いいよ……」



こんなにも余裕がなく、切羽詰まったような海吏もなかなか見れるものじゃないから、貴重だ。



スカートを捲り上げて、足が広げられる。



「まだキスしかしてないのに、下着越しにも分かるくらい、ココがすげぇ事になってるけど? そんなに早く欲しい?」



「は、恥ずかしぃっ、から……変な事言わないでっ……」



隠すように両手を顔に持っていくけれど、その手はすぐに拘束されて、頭の上で束ねられてしまう。



「この格好、何かめっちゃエロいな……」



「バカっ……」



太ももを手が這い上がってきて、スカートに入り、下着が脱がされる。



「もうすぐ入りそうなくらい濡れてる」



「やぁ……あっ、んっ……」



突起をクリクリと擦られ、待っていたかのように、体がビクビクと跳ねる。



「今ちょっとイった? これ、気持ちい?」



「ん、あっ、やだっ、そればっか、りっ……ふっ、ぅ、あぁっ……」



擦られ、捏ねられ、酷く濡れているソコに強く刺激が与えられる度に、何度も細かく絶頂する。



仰け反る私の脚の間を割り入って、すっかり勢いを増した海吏の昂りが、宛てがわれた。



「しっかり味わえよっ……」



「ふっ、ああぁっ!」



相変わらず物凄い質量のモノが入ってくる感覚には、いまだに慣れないけれど、私はこの瞬間が一番好きだったりする。



気持ちよくて、たまらなくなる。



海吏の両腕の服を掴む。



「あっ、か、ぃりっ、んっ、あぁっ……」



「ぁ、っ……瑞葵っ、はぁ……めっちゃいい顔っ……気持ちいの? ん?」



甘美な響きで問われ、何度も頷く。



「き、もちぃっ……海吏っ、もっと……」



「くっ……お前っ、ちょ、マジかよっ……」



両脚で海吏の体を固定して、自ら腰を動かし始めた私に、海吏が眉を歪めて苦しそうな顔をする。



「あ、っ、待てってっ……瑞葵っ、それ、やばっ……んっ……」



普段聞く事が絶対ない海吏の喘ぎ声に、更に私の興奮は増していく。



どんどん大胆になって、私は体を起こして海吏を後ろに押し倒し、覆い被さった。



「んっ、は、あぁっ……」



「ンんっ、はぁ……いいねぇ……この眺め最高……えっろ……」



海吏の体に跨り、自分から再び挿入して一息吐く。



興奮を全面に出した獣のような目で、私を捉える海吏を見つめながら、私はゆっくり腰を動かしていく。



初めての事ばかりだけど、それでも海吏相手には何でも出来てしまう気がした。



「んっ、ソコ、好き?」



「あぁ、あっ、んンっ、気持ちぃ、い、ぁ、ふっ、ぅあっ、ぁんっ、ああぁっ……」



私は凄く気持ちよくなっているけど、海吏はちゃんと気持ちよくなってるんだろうか。



「瑞葵っ……はぁ、すっげぇ、可愛い……」



「海吏っ、海吏もっ、ぁ、気持ち、ぃ?」



「めっちゃいいよっ……あっ、っ、イカねぇように、すんのでっ、必死なくらいっ……」



安堵したのも束の間、いきなり下から思い切り突き上げられる。



奥に当たる快感に、体中に電流が流れるみたいにゾクゾクとした感覚が走り、体を痙攣させながら悲鳴に似た高い声で啼く。



「ぅ、あっ、今のやばっ……めっちゃ締まったっ……危ねぇ……」



力が抜けて、海吏の体に倒れる。



「今の声、もう一回聞かせて……」



「ゃ……む、り……ぁ……」



「大丈夫だって……まだイケるだろっ……」



海吏の体に倒れたまま、下から何度も突き上げられ、私はまたあの感覚を覚えた。



ゾワゾワして、全ての毛穴から汗が吹き出すみたいに、体中がゾクゾクでいっぱいになって、訳が分からなくなる。



「ひっ、ぃ、やあぁっ、ぁ、ダメっ、か、ぃりっ……今、イッてっ、イッて、るっ……ああぁ、ひ、ぅ、やああぁっ……」



はしたなく泣きながらだらしなく喘ぐ私を、海吏は楽しそうに見ている。



「瑞葵っ……」



「も、ダメっ、おかしくっ、なっちゃっ……からぁっ……」



「いいね……もっと瑞葵が、おかしくなるところ、見せて……」



体勢を戻され、腰を高く持ち上げられ、私の一番弱い部分が当たる体位になる。



背筋がヒヤリとした。



理性なんて、全く意味を持たなくなるから、駄目なのに。なのに、期待してしまう自分もいる。



「ほら……瑞葵の大好きなやつ……俺で好きなだけ狂っちまえよ……」



「海吏っ、やだっ、ダメっ! あああぁっ!」



グリグリと昂りが凶器になって、私のソコを刺激する。



目の前かチカチカして、意識が飛びそうになり、頭が真っ白だ。



シーツを掴み、叫ぶように喘ぎながら、何とか呼吸だけはしようとする。



「マジで可愛過ぎっ……たまんねぇ……」



「ふっ、はっ、あっ、あっ、ぁんっ、ひっ、ぅ、あっ……」



言葉なんて出なくて、ただ異常な快楽に喘ぐだけ。



そして、数え切れない絶頂を迎えた時、海吏の呻きが聞こえ、私は意識を手放した。

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