第26話

そんな場所にまで舌が這うのも信じられないのに、それが中にまで入ってくるなんて。



もう、パニックで、思考が追いつかなくて、どうしていいのか分からない。



「舌がいい? それとも、こうして……指でゆっくり掻き回すのと……どっちがいい?」



「そ、なっ……の、わかっ、なっ……」



どっちがなんて、そんな事聞かれても、頭が痺れて考えられない。



だらしなく開きっぱなしの唇からは、喘ぎしか出なくて、頭を振るしか出来なくて。



「あっ、まっ、待ってっ、何、かっ、何か、来るっ……きちゃっ……やだやだっ!」



「んんー……イキそ? はぁ……いいよ。中の……この辺、擦ってやるから、イケよ……」



イクってなんだろうって思いながら、指でゆっくり擦られた場所から、ゾワゾワした感覚の波が押し寄せて来て、腰が揺れる。



物凄い快感で、奥から尿意とは違う何かが登ってくる感覚に、恐怖と恥ずかしさとが混じりあって、体に力が入る。



狂ったように頭を振って抵抗するしか出来ず、やめて欲しいと叫ぶ思考と、それでもこの分からない感覚をもっとと求める体。



「あぁっ、あぁんっ、んんンっ、あぅっ、ひあぁっ……もぉっ、や、ああぁぁあぁっ!」



腰を浮かせ、痙攣させながらビクビクと体を揺らす。声すら出ず、喉からは息しか出せない。



「よかった? めっちゃえっろい顔してんね、マジで可愛い……ごちそうさん」



前髪をふわりと撫でられ、息も絶え絶えで琉玖夜を見ると、優しく微笑まれてドキリとする。



足の間に体を滑り込ませた琉玖夜は、どこか妖艶な笑みを浮かべる。目には興奮の色を宿して揺らす。



「俺の、もうガチガチんなってんの。痛てぇくらい。こんなんなったの初めてだわ」



開かれた足の真ん中から、初めてみる男性のそれが顔を出す。



想像以上の大きさに、目を見開く。



「これが、今からお前ん中、入んだけど」



「そんな、おっきぃのっ、入んないっ……」



涙目で腰を引く私に、琉玖夜が目をパチクリとして固まる。



「お前、それワザと?」



意味が分からず首を傾げる。



「煽ったの、お前だからな。責任取れよな」



「や、やだっ、まっ……あああぁぁっ!」



先程まで舌と指が出し入れされていた場所に、物凄い質量のモノが入ってくる。



ゆっくりと、熱くて硬い感触が侵入してくる感覚。苦しくて、でも覚悟していた痛みはなくて。



「っ、キツっ……はぁ……ぁあ、やっべぇっ、ンんっ……中、あっつぃっ……」



「んんンっ、はぁあぁっ……」



入ってくる感覚がまだ終わらなくて、無意識に体に力が入る。



「っ、ぅ、ぁ、あんまっ、しめん、なって……力……抜けっ……」



「む、りぃ……」



苦しそうな顔で息を漏らす琉玖夜に、ゾクリとする。



侵入する動きが止まり、キスをされる。息をする為に開かれた唇の間から、深く舌が入り込み、まるで生き物のようにねっとりと動いて私の舌を絡め取る。



自然と力が抜ける。琉玖夜は、私をコントロールするのが、上手い。やっぱり慣れているからなのだろうか。



他の子にもこういう方法でしたのかと思うと、少し面白くない。



「もぅ、少しっ……ンんっ、はぁ……くっ……入っ、た……はぁ、平気?」



痛みはないにしろ、圧迫感みたいなものはあって、短い呼吸をする。



「痛いとか、辛いとかないか?」



「だぃ、じょ……ぶっ……はぁ……」



そう答えた私を見下ろす琉玖夜が、ゆっくり息を吐いて髪を掻き上げてニヤリと笑う。



それが凄く妖艶で、目が離せない。



触れるだけのキスなのに、ねっとり絡みつく。



「じゃ、ゆっくり動くぞ」



動く。そう言われ、何をされるのかとおもっていると、挿入されたばかりのモノが、途中まで引き抜かれる感覚に、背中がゾワゾワする。



そしてそのまままた入ってくる。



「ふ、んぅぁああぁあっ……」



ゆっくりと何度も出し入れするそれは、先程より大きくなっている気がする。



「これっ、やっばっ……くっ、中ヌルヌルでっ、気持ちよすぎてっ……んっ、ぁっ……あんま、もたねぇっ、かもっ……はっ……」



「あっ、あぁっ、ひぁあっ、んっ、ああっ、ふっ、んンっ、あっ……」



腰を打付けられて皮膚がぶつかり合う音と、かき混ぜられる水音が、私の耳を犯す。体を揺さぶられ、快感だけに意識を持っていかれる。



うっとりしながら荒い呼吸をしながら、眉を寄せて腰を振る時の、いつもより余裕のない顔を見て、先程感じたゾクゾクする不思議な感情。



琉玖夜の感じている顔に、私は興奮しているんだ。



興奮で自分もまた感じて、中を締め付けてしまう。



「んっ、ぁ……っ、お前っ、そんなに、俺の離したくねぇの? ククっ、どんどん締め付けてさっ……ん、はぁっ……俺の精子、全部搾り取る気かよっ……エロい女……」



「ちがっ……んんっ、あぁっ……」



「違うの? 俺、お前にっ、中に出してって、言われたらっ……っ、確実に、何回でも、孕ませる自信っ、あるけど? はぁっ……」



凄い事を言われた気がする。



この男は、本当にしかねないから怖い。



「お喋りは、この辺にして……改めてっ、可愛い彼女を、可愛がる事にしよう、かっ……」



「やああぁっ! ひあぁっ、ぅうんンっ……」



足を持ち上げ、深く突き上げられる。その瞬間、今まで以上に強い快感が体を駆け巡って、ビクビクと体が痙攣する。



「んっ! くっ……今、思っきりイった? ここがいいのか? はぁっ……ンっ、めっちゃ、締まったっ……」



何が起こったのか分からない。凄まじい快感に、今だ体がビクンと小さく跳ねている。



「もっと乱れて、俺を求めて……俺でいっぱいイけよ……可愛くイクとこ、見せろ」



「ゃっ、こわっ、ぃ……」



「大丈夫だ。お前は何も気にせず、俺に身も心も全部委ねて……ただ感じてりゃいい」



髪を撫でられ、額、瞼、頬、鼻の頭、そして唇。優しくキスがたくさん落ちる。



安心させるみたいな扱いに、余裕ないのに嬉しくて笑ってしまう。



「クソっ……なんつー可愛い顔してんだっ……煽んな……優しくしてやれねぇだろうが」



煽るなんて、やり方すら分からないのに、どうしたらいいのか。



彼も余裕がなくなってきているのが、顔を見れば分かる。



こんな顔見れるなら、煽る方法を覚えておくのも悪くないかもしれない。



「動いて……いいか?」



「ん……いいよ……来て……」



首に手を回し引き寄せて、自ら唇に食らいつく。



舌が絡められ、また主導権が琉玖夜に移る。



「奥、トントンすんのっ、とっ、んっ、グリグリ、されんのっ……どっち、好き?」



「ひっ、あぁっ、わ、かんなっ、ぃ……ん、ああぁっ……」



「どっちもっ、か……いい顔っ……っ、たまんねぇ……」



琉玖夜が触る場所全部が、まるで性感帯にでもなったみたいで。声が抑えられず、はしたなく啼き続ける。



「やあぁっ、ま、たっ……きちゃっ……」



「イケよ……そのうち、俺でしかイケなくなるようにしてやるよ……」



意地悪く笑って、少しだけ激しく揺さぶられて、見つめ合う。



荒く呼吸をしながら、低く喘いで気持ちよさそうな顔で私を誘う。



「中、うねりっぱなし、じゃんっ……はぁ……ずっとイってんのか? 処女でこれって……マジでやべぇ……可愛すぎっ……んっ、そろそろっ、俺、も、ぁっ……限界っ……」



「んっ、あぁっ、やっ、今、だっめぇっ……」



イクという感覚に、体の痙攣が止まらない。



「くっ、んっ……もっ、ぁっ……はぁはぁ、イクっ……出るっ……」



「あぁあぁっ、ま、たっ……ゃ、んっ、やあぁああっ……」



何度も何度も達して、乱れる私に琉玖夜の甘い囁きが届く。



「好きだっ……美遥っ……」



もう頭が痺れて真っ白で、声にならない声で答えようとする私の唇を、琉玖夜の唇が塞ぐ。



「まだだっ……まだ、治まんねぇ……から、意識しっかりっ、はぁ、保っとけよっ……」



その後、何回も抱かれて、その間、私はほとんど記憶がなかった。

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