第六章

第25話

お風呂で無駄に念入りに体を洗い、部屋着に着替える。



部屋へ戻ると、スマホを見ながら寛いでいる琉玖夜と目が合う。



毎日お風呂入ってを繰り返しているのに、今日は少し気恥しい。



私を見ている琉玖夜の目に、少し熱がある。



「毎日見てんのに、抱けるって思うだけで、なんかめっちゃやらしく見えんな」



直球で言われ、顔がもっと熱くなる。



近づいてきて、腰に手を回されて抱き寄せられる。



「もう、ちょっと勃ってきてんの、分かる?」



「うぅ……」



「ははっ、可愛いな。お前が照れんなよ。ずっと好きだった奴がやっと手に入って、大切にしなきゃって思って手ぇ出さねぇでさ。むちゃくちゃ我慢してたんだから、抱けるって思ったらこうなんのは仕方ねぇだろ」



色々考えてくれていた事に、凄く嬉しくて、改めて好きだと思った。



額をくっつけて、優しく笑った顔に、ドキリと心臓が跳ねる。



「俺、めっちゃ偉くない? 褒めて」



「ふふ、偉い偉い」



頭を撫でると、少し照れたような嬉しそうな顔で満足そうに笑う。



「大切にしてくれて、ありがとう。男の人は我慢するの辛いって聞いたから……しんどかったよね、待たせて、ごめんね」



「惚れ直した?」



顔がもっと近づき、優しく唇を啄まれる。



「うん……凄く、好き……んっ……」



「やべぇ……優しく出来るか不安になってきたわ。むちゃくちゃに抱いちまいそう……」



肩に頭を置いて、ため息混じりにそう呟いた。



「酷くしねぇように、出来るだけ優しくはするけど、マジで止めてはやれねぇから、それだけ覚悟しといてな」



それだけ言って、お風呂場へ消えていった。



髪を乾かし終えた私のスマホが鳴る。



姉だった。



「もしもし」



『美遥、あの後大丈夫だった? 酷い事されてない? 怒ってたでしょ?』



「あ、ううん、大丈夫だよ。特に怒ってるとかじゃないから」



『そっか、よかった。何か酷くされてたらって思ったら、心配してたんだよね』



「琉玖夜は酷い事はしないよ。凄く、優しいし、大切に、してくれて、ます……」



自分で言ってて、凄く恥ずかしくて照れてしまって、少し声が小さくなる。



いつの間にか出てきていた琉玖夜が、隣に座った。上半身が裸で、無駄に色っぽくて、目のやり場に困る。



「誰?」



「お、お姉ちゃん」



塞がっていない方の耳元で言われ、頬に熱が集まる。



素早く話を終わらせ、スマホを置いた手が優しく掴まれた。



「あんな事言われたら、優しくするしかなくなるじゃん」



「言わなくても、酷くしないでしょ?」



「そりゃ、むっちゃくちゃ大事な彼女ですからねぇ」



掴まれた手に口づけて、ふわりと笑う。この顔が私にだけ向けられる事が、優越感で、特別だって思えて嬉しくなる。



いつの間に、こんなに夢中になっていたんだろう。好きがどんどん大きくなっていく。



「ベッド、行く?」



熱っぽい声で聞かれ、小さく頷いた私を横抱きにし、ベッドへ連れていく。



ベッドへ下ろされ、甘くて優しいキスが落ちてくる。



「痛かったり、辛かったら言えよ。止める努力はするから」



それだけ言って、またキス。



深く熱いキスに、頭が痺れて体が火照る。



キスをしたまま、ゆっくりと服が脱がされる。ねっとりと舌を絡ませ、吸われ、その度に声が漏れる。



「口開けて、もっと、舌……出してっ……」



「っぅんンっ、ふぁっ……んぅっ、はぁ……」



ずっとキスをされ続け、少し焦れったくなる。



「ん? 何? はぁ……触って欲しい? でもまだ駄目……もっとお前を味わわせろよ……んっ……お前も俺とのキス、っ、好きだろ? そんなトロけた顔しちゃって……」



頭がボーっとする。何も、考えられないくらい、いつもと違う体が熱くなるキスに、溶けていくみたい。



「キス……気持ちい? 乳首、めっちゃ勃ってる……美味そう……」



「や、ぁ……んンっ、あっ……」



顕になった胸の突起を舐め上げ、吸いつかれて口内で転がされる。その度にゾワゾワした感覚が、体を駆け巡る。



「んンー……これ、好き? はぁ……じゃぁ、こっちも……」



「あぁっ、ぅっ、んんっ……」



「声、我慢すんな……すげぇ、可愛い……聞かして……」



口に当てられた手をどけられる。



反対側の突起を同じように口で愛撫され、もう片方は指で弄られて、経験した事のない快感が体全体を包み込む。



お腹の奥の方が、何とも言えない感覚。足を擦り合わせると、先程琉玖夜に触られた部分が、ヌルリとする。



先程とは比べ物にならないくらい、濡れているのが、自分でも分かった。



胸を刺激していた唇が、キスが、脇腹、腰、お腹へとゆっくり下へ下がっていく。



「ずっげぇ、めっちゃ濡れてる……もっと俺で感じて、俺でしかイケなくなればいい……」



「恥ずかしぃ、からぁ……いわな、でっ……」



「何で? 俺が濡らしてるって思ったら、むっちゃ興奮する……可愛いよ……」



体中が熱くて、頭が回らない。何か意識していないと、すぐ真っ白になる。



下着すらも脱がされ、恥ずかしくて隠すように体をくねらせる。



「隠すな……お前の全部、見たい……」



「やっ、やだっ、そんなとこっ、汚ぃっ……」



信じられない。本当にその濡れた場所に顔を近づけて、そこが舐められたのが分かった。



熱い舌の感覚に、腰がビクンと跳ねた。



「やだっ、何、これっ、やぁっ……ああっ!」



体に電気が走るよう。



「ここ、触った事ねぇの? まぁ、お前はないか……。女が一番感じる部分。男と同じように勃起するんだってよ」



「説明、しなくていぃ、からっ……」



「ククっ……集中しろって? はいはい、もっと気持ちよくさせていただきますよ……んっ」



喉の奥で笑いながら、またそこに舌が這う。



舌と唇で鳴らす水音と、琉玖夜の荒い吐息がいやらしくて、またそこを濡らしていく。



「ああぁっ、はぁっ、ふっ、んああっ……」



「すっげっ……やらしい汁、どんどん溢れてくんじゃん……そんなにここ気持ちいの?」



楽しそうに言った琉玖夜の髪を乱すように掻き回し、頭を押さえるけど力が全く入らない。



気持よすぎて、訳が分からなくて、もう喘ぐしか出来ない。



「一緒に、中も……はぁ……ぅんんっ……」



「やだっ、嘘っ、まっ……あああっ!」



刺激を受けていた突起の下に、ゆっくりと舌が入ってくる感覚に、また体が弾ける。



腰が浮いて、動かさずにはいられなくて、シーツと枕を掴む手に力が入る。

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