第14話

突然訪れる恐怖と嫌悪感。



快楽とは違う意味で、震え始める体。



揺さぶられながら、涙が流れた。



でも、こんなに不安なのに、律樹が優しく頭を撫でて、微笑んでくれるだけで、心が暖かくなる。



流れた涙を唇で拭い、優しくキスをする律樹に、強く抱きついた。



「大丈夫……美都は……綺麗だよ……」



私の気持ちが読めるのかと思うほど、的確に私の欲しい言葉をくれる。



私は、そのキスに答えるように、舌を絡めた。



「好き……律樹っ……」



「可愛い事っ、言うなよっ……んっ……」



律動を始め、一段と激しくなる腰の動きに合わせるように、自分の腰も動く。



「あっ、んっ……はぁ……律っ、あ、ぁんっ、もっ、あぁっ、イ、ぅっ……」



「美都っ……俺、もっ……ぁ、はぁっ……イクっ、出るっ……」



朦朧としながら、必死に律樹にしがみつく。



ゾクゾクと快感に震えながら、律樹の固くなったソコが、奥を強くゴリゴリと擦れると、あまりの気持ちよさに鳥肌が立ち、何度も達してしまった。



止まらない絶頂に、言葉にならなくて、酸素を求めるように口をパクパクさせる。



「大丈夫か?」



労わるように、私の髪を撫でる律樹の優しい手が頬に滑る。



「ごめんな、我慢効かなくて……」



心配そうな顔で様子を伺う律樹の頬に、まだ余韻に震える手でそっと触れる。



「大丈夫……凄く気持ちよくて……まだ、フワフワしてる、だけだから……」



ぼんやりしながら、呼吸を整えながら、近づいてくる律樹の顔を見る。



優しく触れる唇。繰り返される甘いキスに応える。



「何か、まだエロい顔、してる……」



「バカ……」



クスクスと笑いながら、額をくっつけてまた笑う。



幸せな時間。



微睡みの中で、律樹の体温を感じながら、私はゆっくり眠りについた。



その間も律樹の優しい手が、私の頭を撫で続けていた。






光が瞑っていた瞼に刺さり、眩しさに目が覚める。



一瞬何処か分からず、ボーッとする頭で考える。



隣で何かが動く感覚。



腰をスルリと滑る手。唸るみたいな声。



「う〜……まぶしぃ……」



可愛い生き物がいた。



金色の髪が朝日に照らされ、キラキラと綺麗に光る。



いつの間にか敷かれた布団に潜り込み、擦り寄ってくる律樹に、笑いが漏れる。



しなやかな明るい髪に、指をゆっくり絡ませると、サラサラと滑り落ちる。



「んん〜……くすぐった、ぃ……」



グリグリと私の首元に頭を押し付けて抵抗する律樹に、またクスクスと笑う。



「おはよ、律樹……」



「ん……はよ」



ちゅっと音を立てて唇が当たる。



優しく笑う律樹に、ドキリとして、妙に恥ずかしくなる。



そうしてるうちに、昨日の晩の自分の奇行にも、段々羞恥心が蘇り、穴があったら入りたいとはまさにこの事だと思う。



布団に埋もれた私に、律樹は「何してんだよ」とクスクス笑っている。



「今更だけど……我ながら昨日の私は、私ではありません」



「バカ言え。何言ってんだよ、可愛かったけどな。大胆でエロかったし」



顔から火が出るのではないかと言うくらい、熱くなる顔を冷やすように手で顔を隠す。



「ほら、こっち向けって……」



イヤイヤと首を振りながら、律樹に背を向ける私の耳に、律樹の吐息がかかる。



「美都……こっち向いて……」



甘く囁く声が、背中をゾクリと痺れさせる。



それでも私が背を向けているので、律樹が私の首を舐め上げる。



「んっ、やめっ……ぁ……」



「美都……可愛い……」



囁きながら、律樹の手が胸の立ち上がり始めた部分を刺激し始める。



「ぁ、だ、めっ……んっ、ゃあ……」



「もっと……声、聞かせて……」



駄目だと言いながら、止められない自分がいて。律樹に求められるのが嬉しい。



律樹の指が濡れ始めたソコを強く撫で、侵入してくる。



すんなりと飲み込んだ指が中で蠢く感覚に、律樹の指を締め付ける。



「美都ごめん、入れさせて……」



明らかに勃ち上がった律樹のソレが、腰に当たっているのが分かる。



荒くなる息遣いが、私の興奮を煽る。



律樹が入ってきて私を揺さぶると、また昨夜と同じように、激しい快楽に飲まれて行った。

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