第9話

林田君の膝に跨り、チョコレートを咥えた唇に食らいつく。



「はぁっ、むっ、ぅんンっ……」



チョコレートが溶けて、口に甘い味が広がる。



チョコレートと一緒に、どちらともつかない唾液が一緒に喉を通る。



全て飲み干した後も、キスは止まらなくて、彼の舌ごと堪能する。



「んはぁっ、っ、んっ、ぁっ……」



頭が痺れて、溶けてなくなってしまいそうになる。



「っ、はぁ……どこまでもやらしい顔をする奴だな、お前は……」



「キス、気持ちいっ……から……」



荒く呼吸をしながら、彼にしがみつく。



密着していると分かる、彼の昂り。それに手を這わせる。



「っ……急に、触るなっ……」



膝から下りて、床にしゃがみこんで、ズボンに手を伸ばす。



「お、おいっ……」



「このままじゃ、帰れない、ですよね……」



ベルトを外し、チャックを下ろすと立ち上がったモノが、目の前で主張する。



いつ見ても、凄く大きい。こんなに近くで見るのが初めてで、迫力が凄くて喉を鳴らす。



「あまり、上手くないけど、頑張ります、ね」



唾液を絡めて、手で上下に扱き、舌と唇を使って必死に咥えてしゃぶる。



大きすぎて口に入りきらない部分を、しっかり手で包んで動かす。



「っ、んっ……はっ、ぅっ……」



「きも、ひぃ、れふ……か?」



「咥えっ、ながら……しゃべるっ、なっ……」



眉間に皺を寄せて、荒い息を吐いて、その間に小さく喘ぐのが、私の興奮をまた呼び覚ます。



私で気持ちよくなってくれている事が嬉しくて、濡れている場所が更に濡れていく。



―――ガチャッ。



扉が開く音に、ビクリと体が反応する。



「唯栞〜、まだ残って……っ!?」



顔を出したのは、奥島君だった。



驚きに目を見開いたのは一瞬で、すぐに無表情で部屋へ入ってきて、後ろ手に鍵を掛けた。



「あ〜、マジかよ……林田だけ特別とかずりぃ〜んだ〜」



近づいてくる彼の顔を見る。初めて見る顔。無表情で、どこか怖い。



口の端を上げて笑うのに、私を見つめる目は笑っていない。



「鍵くらい、ちゃ〜んと掛けなきゃ駄目じゃん。ねぇ……」



私の隣にしゃがんで、髪を掬ってキスをする。聞いた事のない低い声。目が妖艶と妖しさに光る。



体がゾクリとする。



「唯栞はそのままご主人様の、しっかりしゃぶって御奉仕してなよ。俺も混ぜても〜らおっと」



「おい、奥島っ……んっ、くっ……」



林田君のモノを刺激するのを再開しながら、膝をついてお尻を上げさせられる。



下着がずらされ、素肌が空気に晒されてヒヤリとする。



「すっげぇ……まさかこれ、咥えただけでこんなになってんの? 唯栞って、マジ淫乱だな」



「んむぅっ……はぁっ、やっ、ぁあっ……」



煽るように言われ、恥ずかしさに涙が滲んで喘ぐ。



「泣いた顔もすっげぇ可愛い……」



林田君に奉仕している私の後ろから覆い被さるようにして、耳元で囁いて耳を刺激する。



「んぅっ、んンっ、はぅんンっ……」



耳の中まで舐め尽くされて、音と息にゾクゾクと体中に痺れが走る。



「ほら、はぁっ……お口がお留守じゃ、ご主人様が可哀想だよ……は、ンん……」



「耳っ、やぁ……」



耳を舐められて吸われて、快感に濡れたそこに奥島君の指がゆっくり入ってくる。



「あぁっ……」



「ここすっげぇ濡れてるから、一気に指三本、すんなり入ったよ……」



背をしならせ喘ぐと、顔を上げた拍子に、前にいた林田君と目が合う。



無表情。いや、これは不機嫌な顔。欲情と妖艶を混じらせた顔で私を見る。



熱すぎる視線が刺さる。ゾクリと背が粟立つ。



「俺のをしゃぶって濡らして、奥島に弄られて、気持ちよさそうな顔でよがって……まったく、淫乱な奴隷だな」



奴隷。林田君が初めて口にした言葉。



顎を掴まれて顔が近づく。



何か、怒ってる、みたいな。気のせいだろうか。でも、様子がおかしい。



「ほら、しっかり奉仕して、イカせてみろ」



「んんンっ! んっ、ふっ、ぅんンっ」



明らかな挑発。やっぱり、私が失敗したのか、怒ってる。ちゃんとしなかったから。



「あー、駄目だ。もう我慢出来ないっ……入れるよっ……んっ……ぁ、はあぁっ……あっ」



「ンンぅっ! んんンっ……はっ、んっ……」



後ろから中へ、奥島君の固くて太いモノが押し入ってくる。



その質量に、呼吸を忘れそうになる。



「そんなゆっくりしてたんじゃ、いつまでたっても俺はイカないぞ」



そう言った林田君は、私の頭を両手で固定する。



そのまま林田君は立ち上がる。固定されたままだから、体が自然と起き上がる。



「ぅあっ、くっ……ちょっ、林田っ、急に動かすなよっ……」



講義の声にも反応せず、私の頭を持ちながら、腰を動かし始める。



口いっぱいに咥えた林田君の物が、自分の意志とは関係なく、出し入れされて喉を突かれる。



苦しくて、涙が滲む。けれど、必死に耐えて、舌と手を動かす。



「っ、やばっ、ぅ、締まるっ……めっちゃ気持ちいぃっ……はぁ……」



「んっ、はぁっ、はっ、なかなか、上手くなってきたっ……くっ、ぅぁ……」



男二人に挟まれ、二人の荒い息に包まれて、頭が溶けそうになる。



上も下も犯されているのに、もっとと求めてしまう。



何度も達っしたのに、足りなくて、いやらしくねだるように腰を揺らす。



「あー……俺無理っ、もう、出るっ……はっ、イクっ……」



「喉奥しっかり締めてっ、んっ、零さず全部飲めっ……」



激しく喉を突かれ、後ろからは腰を打ち付けられて、苦しさと気持ちよさに、訳が分からなくなって涙が溢れて零れる。



イキすぎて、イキっぱなしで、頭がおかしくなりそう。



朦朧とする中、二人の呻き声を聞きながら、絶頂に上り詰めて意識を失った。

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