第3話

部員との顔合わせが終わり、私はこれから柔道部員の性欲処理をする事になった。



規模が大きいから、部員数はなかなか多い。



私の体、ちゃんともつのだろうか。



今更ながら、不安で仕方ない。



でも、やらなきゃ。



大丈夫。どうって事、ない。



今丁度マネージャーがいない柔道部。性欲処理のついでに、マネージャーの仕事で簡単なものだけする事になった。



「タオルです」



「お、ありがとうさん」



「サンキュー」



「やっぱ女の子いるだけで全然ちげぇよなぁ」



「ほんとそれなー、何かやる気が違うよなー」



みんな体が大きいし、少し怖かったけど特に悪い人達というわけではなかった。



今のところは。



部活が終わり、片付けを手伝っている時だった。



「おーい、唯栞ちゃん」



振り返ってみると、人懐っこい笑顔で部室に入ってくる部員。



「俺、奥島健人おくしまけんと。よろしくね」



そう言って鍵を掛ける。



始まるんだと、察した。



「ねぇ、ほんとに抱かせてくれんの?」



腰に手を回して、引き寄せられる。額がひっついて、鼻が擦れる距離。



意外に睫毛が長くて、鼻筋も通っていて、男らしい林田君とは違って、人懐っこい犬を思わせるやんちゃそうな顔。



「俺さぁ、君の事タイプなんだよね。もうど真ん中、ドストライクッ! そんな子抱けるなんて、むっちゃやべぇ」



顎を指で上げさせられ、顔が近づく。



触れるだけのキス。小さな音を立てて離れる唇。



まるで恋人にするみたいなキス。



「唇やわらか……。口、開けて……」



「ぅんンっ、ふっ、んっ、はぁ……」



「っ、っんんー……っはぁ……やべぇ、こんな興奮すんの、初めてかも。俺さ、セックスすんの久しぶりなんだけど、出来るだけ優しくするから」



ベンチまで手を引かれ、座る彼に促され、膝に跨るように座る。



座ると、彼のモノが当たるのが下着越しにダイレクトに伝わって、肌が粟立つ。



もう一度甘いキスの後、服が捲られ、ブラもそのまま捲られる。



「ブラ、可愛いね。この下も見せて」



ブラの下から顕になった胸を、大きな手で揉みしだかれ、突起に触れる。



ビクリと体が跳ねる。



指で捏ねて、反対側を唇で挟んだり転がしたりされ、お腹の奥がジクジクして、体を捩る。



「乳首、気持ちい? どうされんのが好き?」



いちいち聞かないで欲しい。恥ずかしいうえに、なんと言えばいいか分からない。



言い淀んでいると、彼はふっと笑って呟く。



「まぁ、体に聞く方が早いか。そっちの方がいっぱい可愛い声聞けるしね」



「ぁあっ……んっ、あっ、ふっ……」



胸の突起ばかりを刺激され、何度もビクビクと体を震わせてしまう。



ねっとりと絡みつく舌の感覚。



あの人とは違う指。



その指がゆっくり体を撫でて、スカートから入り込んで太ももを滑る。



「くすぐったぃ……」



「ん? くすぐったいだけ? そんなエッロい顔してさ……」



下着越しに撫でられ、一段と体が激しく跳ねる。



「うわ、すっげぇ……もうぐちゃぐちゃじゃん。俺で感じてくれたんだ……めっちゃ嬉しい」



満足そうに言って笑いながら、指が下着の中へ侵入する。



長い指が中で蠢く度、熱がどんどん上がっていくようで、熱くてたまらない。



「指、四本も入ったよ。やらしい体……ほんと可愛い……」



またキス。この人はキスが好きなのか。何かにつけてキスをする。



啄むようなキスをしたかと思えば、ねっとり絡みつくいやらしいキスをしたり。



頭がジンジンして、訳が分からなくなる。



「ねぇ、今日って、ヤバい日? えっと、生で入れたいんだけど……駄目?」



ピルは飲んでいるけれど、生は、駄目、だよね。駄目、なのに、そんな縋るような顔で、目で見つめないで欲しい。



彼のこの目には、絆される。



「はい、残念。時間ぎ、れっ!」



「ひ、ゃああぁあああぁっ!」



思い切り最奥を突き上げられ、部室に悲鳴に似た声が響いた。



喉が震え、伝染するように体中が痙攣して頭が痺れる。



こんなの、知らない。こんな、気持ちいい事、した事ない。



「何今の声っ……すっげぇ股間に来たわ。もっかい聞きたいっ……ここ突いたら、聞ける?」



「やだっ、ダメっ! そこ、やぁっ!」



「やだじゃないでしょ? ンんっ、はっ……」



意地の悪い笑顔で唇を舐め上げて、食べるようなキスをする。



唇までも性感帯になったみたい。



林田君も奥島君も、キスが上手すぎて困る。



「あっ、ああっ、んぁっ、ぃやあぁっ……」



「っ、可愛すぎだろっ……そそる顔して、俺をこんなに煽ってっ……んっ、はぁ……」



もう何も考えられず、ただただ喘ぐしか出来なくて。



突き上げられ続け、何もかもがぐちゃぐちゃで。



一度では終わらず、何度も何度も中に出され続け、終わった頃には日が暮れていた。



終わったのに、まだ彼が入ったまま、服を整える事もなく、ずっと抱きしめられている。



「はぁ〜……他の奴にもこの体を抱かせんのかよ……嫌だなぁ……俺だけのになればいいのに……」



拗ねたように胸に顔を埋めて、頭を擦り付けて、こちらを見上げる。



「唯栞……好き……めっちゃ好き」



「っ!?」



可愛い生き物がいる。不覚にもドキドキしてしまった。



こんなにまっすぐな澄んだ目で、そんな事を言われたのが初めてで。



「好きだよ……唯栞……。他の奴よりいっぱい抱いて、いっぱい気持ちよくするから、また相手してよね。だから、俺とのセックス……忘れないで、ね?」



首に吸いつかれ、うっとりと笑う。



好意を正面から思い切りぶつけられ、奴隷としては何ともリアクション出来ない。



答えちゃいけないんだろうな、この場合は。



何も言えず、なすがままでいる事にした。



ごめんなさい、奥島君。

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