第2話

私も相当イカれてる。



「分からない事があればまた聞いてくれ」



「あの、お願いが、あるんですけど」



心臓が壊れそうなくらい、ドキドキしっぱなしだ。



この人は、この申し出を受け入れてくれるだろうか。



「一度でいいので……最初に、私を……抱いてくれませんか?」



校長室で見た時より、もっと驚いている顔。



沈黙。



早く、早く何か言って。



目は、逸らせない。他の男にむちゃくちゃにされる前に、最後の、チャンスだから。



「それは、どういう意味だ?」



「突然性欲処理って、いくら私でもやっぱり少し怖いというか……だから、その、練習?」



私は何を言ってるんだろう。変な女だって思われただろうな。



顔が、見れない。



彼が立ち上がったのが分かった。



目の前に立っていて、私は見上げる。



「俺で、いいのか? 部員にモテるいい男がいるが、そいつに……」



「あなたが、いいんです」



私も立ち上がり、精一杯の上目遣いで彼の制服を掴んだ。



彼に色仕掛けが通じるとは思えないけれど

、このチャンスは絶対掴み取りたいから。



「駄目……です、か?」



縋り付くように言うと、突然頬を両手で包まれる。



「……場所、変えるか?」



「どこでも、いいですっ……」



ヤバい。これは、ほんとにヤバい。



息が、止まりそう。



大きな手が、私に触れてる。



ずっと触りたかった、触れて欲しかった手が、私に触れている。



好きとは言えないから、ただ一度だけでいいから、抱いて貰えるなら、これから何があっても耐えられる。耐えてみせる。



広い部室は、奥にも部屋があるようで、そこは、畳が敷いてあるスペースがあった。



畳のスペースに、わざわざ上着を敷いてくれる。



ほら、また優しい。



「唇……綺麗な形で……柔らかいな……」



親指で唇をなぞられ、それだけで体が痺れて、私はこの男に欲情する。



諦めようとしたら、こうやって諦められなくする。



無自覚なのがまたズルい。



「美味そうな唇だ……」



低い声で囁いて、小さく笑うのが見えた。ゆっくり重なる唇。



「んっ……っ、はぁ……ンんっ……」



「もっと、舌を……そう……」



「は、ぅんっ、はっ……ぁ……」



熱い舌が口内で蠢いている。



どうしよう。キスが、上手すぎる。こんなうっとりするようなキスは、初めて。



奴隷相手に、なんて優しいキスをするのか。



何度もキスにねだるように、私より大きな体にしがみつく。



「ん? 何だ? はぁ、キス……好きなのか?」



「ん、ぁ……好き……きもちぃ……ンぅっ……」



こうやって誤魔化してしか〝好き〟という言葉が言えない。



そんな事知らない彼は、私を敷いた服の上に横たわらせる。



きちんと段階を踏んで、脱衣、愛撫をする。



彼らしいやり方。



どこまでも優しく、丁寧で甘い。男らしい手が私の体を滑る。



沢山触って欲しくて、もどかしくて、身を捩る。



「も……い、からぁ……早く欲しっ……」



彼のズボンに手を伸ばし、上から触ると、もう起き上がっているのが分かった。



ズボンから出されたそれを見て、息を飲む。



物凄く、大きい。



経験豊富ってわけではないけれど、そこそこの人数と付き合ってきたつもりだったのに、その元彼達のどの人よりも大きかった。



これが、私の中に入るのかと思うと、少しの恐怖と不安と期待が入り交じる。



「大き、ぃ……」



「比べた事はないから、大きさは分からないが、怖いならやめるか?」



やめるなんて、ありえない。



私は、彼のモノに触れ、口に咥える。



「っ……くっ……は、ぁ……」



口に入りきらない程に大きなモノが、また大きくなる。



駄目だ、早く欲しくて、お腹の奥が熱い。



彼を押し倒し、自ら彼の体を跨いだ。



ゆっくり腰を落とす。ゴムをつけていないからか、止める声がするけれど、構わず腰を下ろす動きは止めない。



「っ……んっ、はっ……キツっ……」



「ひ、ぁあああぁあっ……んっ、ンんんっ」



物凄い質量に、苦しくて、でも彼のモノが入ってくる感覚が嬉しくて、気持ちいい。



一度だけだと言ったのに、他の部員が来るまで何度も抱かれた。

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