第二章
第10話
体を揺さぶられている感覚と、覚えのある快楽に、意識がハッキリしてくる。
「よぉ……起きた? んっ、く、中、……締めんなっ……」
「あぁっ、あっ、やぁっ、だめっ、んっ」
「奴隷がっ、抵抗とか、笑えるっ……」
激しく突き上げられて、声が大きくなる。
入谷先輩の家にいたはずが、いつの間にか知らない場所で、鳳月奏夢に揺さぶられていた。
どれだけ入谷先輩に抱かれていたのか分からない。途中から意識はなく、記憶すらない。どうやってここに来たのか。まさか、この人が連れてきたのだろうか。
今まさに私を楽しそうに陵辱する主。
主の証である、銀色のネックレスが揺れている。それをぼんやり見ながら、快楽に飲まれていく。
「お? 顔、変わってきたじゃん、これ、やっぱ気持ちい? お前これ好きな。じゃぁ、これは?」
「ああぁっ!」
奥を捻じるように突き上げられ、大きく声を上げる。
「ほーら、気持ちいいなら気持ちいいっていわなきゃだろ? おら、言え」
同じ場所をずっとグリグリと擦り上げられて、体をビクビク震えさせる。
「そうだ。律樹に抱かれて、どうだった? よかったか? 俺とあいつ、どっちがいい? 決めさせてやるよ、特別に」
「ゃ……わか、なっ……ああぁっ」
「分かんねぇ訳ねぇじゃん。それとも、二人共咥え込む? 欲張りな奴隷だな。ククっ……可愛いじゃん」
妖艶に笑う男を見つめながら、喘ぎ以外を口から放つ為に口を開く。
「鳳月っ、君、が、いぃっ、きもち、ぃ」
「あはははっ、分かってんじゃん。いい子。お前ほんと可愛いわ……」
額にキスをされ、頭を撫でられる。
頭を撫でられた事すら初めてだった私は、驚きに目を開く。
その様子に、鳳月奏夢は不思議そうに動きを止める。
「なんて顔してんの? 頭撫でるのが、何か変か?」
「……一度も頭なんて、撫でられた事、ないから」
「は? 一度も?」
頷いた私を見て、物凄くマヌケな顔をしている。そして、何故か何度も何度も頭を撫でられる。
髪がボサボサになる。一体何なんだろう。
「ぷっ! あははははっ、髪すげぇ事になってんじゃん。あははは、可愛いの」
自分がやったくせに、なぜ私が笑いものに。しかも、まだ私の中に入ったままだと言うのに。
「ンんっ……」
「おっ、そう言えば入れっぱだったな。とりあえず、出しとくか」
「あっ! あっ、んっ、あぁっ、きゅ……うにっ、激しっ、ンんっ、ああっ」
力任せに揺さぶられ、頭が痺れる。
さっきされた質問の答え。どちらが気持ちいいか。この答えは、経験の少ない私には、正直よく分からない。けど、鳳月奏夢の方が心地いい気がしなくもない。
そう、思ってしまった。
「よっ!」
「ああぁっ!」
向き合うように抱き上げられて、膝に座るような体勢にさせられ、深く入ってくる。背中にゾワゾワした感覚が走り抜ける。
「中、ビクビクしてるっ、これ、深く入るだろ? これがいいの? ん?」
「ぃいっ……ぁ……きもちぃ……」
素直になれば、彼は気持ちいい事を続けてくれる。痛いよりはそっちの方がいいから。
私は、主の思うままに生きる奴隷。そうしていれば、酷くされないし、求めてもらえるから。
捨てられないから。
鳳月奏夢に抱きついて、もっととねだる。
嬉しそうにニヤリと笑った主は、噛み付くようなキスをして、また私を思い切り突き上げる。
激しくされた後、私はふかふかのベッドで、また頭を撫でられていた。
気持ちよさに、ウトウトしてくる。
これに慣れて、飽きられたら、私はどうなってしまうんだろう。死んじゃうかな。
うつ伏せのまま、私はまどろみへと意識を落とした。
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