第7話

廊下で立ち止まり、適当な空き教室へ入る。



「ちゃんと守ってあげれなくて、ごめんね。強くされたとこは、その……大丈夫?」



「はい。ありがとうございました」



深く頭を下げると、首についている首輪のチェーンが揺れる。



「あの、さ……えと、その……専属の話なんだけどっ! 俺に、しない? 絶対、守るし、手出しさせないし」



「無理ですよ」



「え?」



「だって、あの人は、多分欲しいって思うものは、どんな事をしてでも手に入れるタイプですよね? だったら、無理ですよ」



私があの人の何を知っているのかって話だけど、多分合っていると思う。あの人からは、逃げられる気がしないから。今更逃げる気もないけど。



「それこそ、入谷先輩が危なくなっちゃうし、そんな事、私出来ないです」



いつの間にか近くにいた先輩を見る。先輩が優しく指で頬を撫でる。



「君は、優しいね……。俺の事まで考えてくれるんだね……。あぁ、好きだなぁ……」



ふわりと笑う顔が、凄く可愛くて、見惚れてしまう。



「処女守ってあげれなかったな……ごめんね」



少し悲しそうに笑う先輩の顔が近づく。



「一目惚れ、だったんだ……」



唇に、あの人とは違う感触が落ちる。優しく触れるだけのキス。



「好きだよ……美颯」



ふわりと細いけど、男の子らしい腕に包まれる。凄くいい匂いがする。



暫くそのまま抱きしめられていて、どうしたものかと考えていると、先輩の手がお尻に伸びた。



先輩の息遣いが荒くなる。



「ねぇ……あいつのとこに行くんなら、それまで、俺といてよ。君といたい……一秒でも長く、君を独占させて……」



そう言った先輩の目が、欲に燃えて揺れている。先程の爽やかな好青年は、もうそこにはいなかった。



「ギリギリまで、ずっとずっとずっとずっとずっと……いっぱい俺と繋がってようか……」



うっとりしながら、頬を赤くして私のお尻をいやらしく撫でる。



「ダメだ……やっぱり……好きだと、加減が出来ないや……好きだったら、触りたくなるのは、当然だよね?」



何に興奮しているのか、荒い息のまま、私のお腹辺りに、大きく昂ったモノを擦り付けていた。



「二人でずっと気持ちよく、なろうね?」



この人も、壊れている。この目を、私は知っていた。



「あ、そうだ……子供作っちゃえば、君は俺の物になる? そうか、何で気づかなかったんだろ。それがいいよ、そうしよ? ね? 君の子供だったら、絶対可愛いよっ!」



何を言い出すんだ。嫌な予感しかしない。



「先輩、子供は、駄目です」



「なんで? まさか……君、あいつが好きなの? あいつの子供を産むの?」



「違いますよ。ただ、まだ高校生なので、育てられません」



冷静にそう答える。少し考えてから、納得したのか、先輩は少し残念そうな顔をした。



「じゃぁ、とりあえず、始めようか」



上着を脱いで、床に敷く。それを不思議に思いながら見ていると、ニコリと微笑まれ、噛み付くようにキスをされる。激しく熱い舌が、口内を容赦なく犯していく。



キスをされながら、うわ言のように、ずっと愛を囁かれる。



敷いた服の上に優しく押し倒され、ゆっくり服を脱がされる。



「はぁぁ〜……肌は白くて綺麗で、あぁ〜……可愛いなぁ……どこもかしこも甘くて、美味しいよ……はぁ、はぁ〜……」



私に覆い被さりながら、ねっとりとしつこいくらい舐め回し、体中にキスを落とす。



私が抵抗する事はない。奴隷だから。主に逆らってはいけない。何より、私には逆らうつもりも、理由もない。



私は奴隷、なんだから。



「とりあえず一回したら、家に行って、俺の精子が出なくなるまで、いぃーっぱい、しようね。大丈夫、怖くないよ……安心して、俺はあいつらみたいに痛くもしないし、君を泣かせる事もしない。一緒に、気持ちよくなろうね?」



熱く蕩けるような顔で私の唇を撫でながら、幸せそうに微笑んだ。

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