第5話

何度も波打つ体。快楽の波を受け続け、頭がぼんやりしてくる。



「もうグチャグチャじゃん……この可愛い場所を刺激しながら、舌で穴を解される気持ちよさも覚えろよ?」



耳を塞ぎたくなるほどに、グチュグチュというやらしい音を立てながら、私の秘部に貪りついている彼の頭を、必死で掴んで押し戻そうとするけど、快楽が邪魔をして上手く力がはいらない。



何度も何度も何か得体の知れない感覚に襲われ続け、痙攣する体は止まらなくて、だらしなく口が酸素を取り込もうと必死にパクパク動く。



「んー? はぁ……ココ、すっげぇとろっとろ……はは、気持ちよさそうな顔……めちゃくちゃエッロいな……お前がエロいせいで、俺のがどんどんデカくなってくる……」



荒い呼吸をしながら、無意識にそちらを見る。



目を見開いて息を飲む。



初めて見るソレに、血の気が引いていく。グロテスクな形状のソレが、私の中に入るのか。こんな、大きなモノが。



怖くて体ごと引いた私を、少し意地悪な顔で見る彼に、体を震わせる。



「何? コレ見て、怖くなった? 大丈夫だよ。お前は絶対コレにハマるから。俺上手いし。お前素質あるし、な? 後悔させねぇよ?」



怖くないと言い聞かせるように、彼は私の頭を撫でる。



甘やかし方が凄い。今まで女の子を抱いてきた数が膨大で、計り知れないのは、今のこの状態だけでよく分かる。この人は確かに上手いのだろう。



それでも、不安は消えてはくれなくて、未知の世界に足を踏み入れるのを躊躇ってしまう。



「ここまで来て、俺がこんな美味そうなもん、逃がすと思う? 気持ちよすぎて、ヨガり狂うお前……見せて?」



耳元で囁かれ、その低くて甘く響く声に背中がゾクゾクする。



深くキスをされ、再び組み敷かれた私のソコに、何かが当たる感触がある。



ゆっくりと割って入ってくる感覚。その質量の凄さに、息が出来なくて、キスをされていた唇を離して必死に酸素を取り込もうと、口を開ける。



「んっ……はあぁ……や、ばっ……狭すぎでしょっ……くっ……ぁ……」



呼吸を必死でする私は、頭を朦朧とさせながら、入ってくる。



何……これ……



「ゃらぁ……んな、おっきぃ……の、は、いらなっ……」



言葉にならない声で、頭を横に何度も振りながら涙を流す。



「息、吐けっ……ゆっくり呼吸、して……」



私の顔に近づいて、教えるように一緒に呼吸をして見せる。私は、縋るようにその呼吸に合わせて息をする。



「ひぅあぁああぁっ……ぁ、あっ……ぁ」



「っ……はぁ……全部っ、入った……ぁ……」



彼の形がしっかり分かるくらい、ピッタリと飲み込んだソコが、まるで私の体じゃないみたいに蠢く。



無意識に彼の服を掴んで、唇を噛む。



「入れただけでイクとかっ、そんなに俺の、気持ちいい? はっ……おら、唇噛むなっ……」



「ぅんんンっ……んっ、ぁんぅ……ンっ……」



温かい舌が口内を這い回る。苦しさにまた涙が零れる。



「泣くな……その顔すらそそられる……あんま煽るな、優しくしてやれねぇ……」



ゆっくりと腰を動かし始めた彼に翻弄される体。呼吸をするだけで精一杯なのに、声を我慢出来ない。



「あっ、ああぁ、あっ、あ、ゃ……」



「っ……んだ、これっ……はぁ……お前、処女とか、マジかよっ……久しぶりに、むちゃくちゃ気持ちいぃ女っ、見つけちゃったわ、これ、やばっ……」



少しずつ早くなる腰の動き、抗えない私はただ揺さぶられて、喘ぐ。



「ひぅっ! やだっ、何っ!?」



「あぁ? ここ?」



「ああぁっ! だめっ、やだっ、そこ、いやだっ、いやぁっ!」



「お前は、ココがいいんだ……じゃぁ、いっぱい突いてやらねぇとなぁ……」



「やだやだっ、だめっ、やめてっ!」



思い切り腰を打ち付けて深く入ってくる感覚の後、小刻みに奥をトントンと小さく叩くように当てられ、体中をゾクゾクした何かが這い回る。



「あぁぁ……やっべぇ……むちゃくちゃ、締まるっ……ぅあっ……はぁ、はぁ……クセになんな、これ」



何度も同じ場所ばかりを攻められ、朦朧としてくる。



思考が止まって、喘ぐ事しかできない。頭が痺れる。



「そこ、ばっか、りっ……ぁ、ら、めっ、やらぁ……んンぁ……頭、おかしくなっ、ちゃ、ぅ、からぁ……」



「いいじゃんっ……俺も頭イカれて、飛ぶくらいっ、むちゃくちゃ、気持ちいいっ……処女で、これはっ、はぁあ……ないだ、ろっ」



何も考えられなくなる。勝手に動く腰を彼に擦り付け、小刻みに動く彼の腰に、もっとと言うように、足を絡みつけて固定する。



「ぅああっ、くっ、ちょっ、お前っ……」



気持ちよさがもっと欲しくて、揺らす腰を激しくしていく。



「ったく、この新しい奴隷ちゃんは、淫乱っ、だなっ……気持ちい?」



「……ひっ、いいっ、きもち、いっ……もっとぉ……してぇ……」



「ククっ、さっきまでのっ、冷めた顔よりっ、はぁ……いい顔になったじゃ、んっ……そっちのが、可愛いよ……」



こんな醜態を晒すとは思わなかった。でも、奴隷の私には、これがお似合いなんだろうな。だって、こんなに楽しそうに彼が笑っているから。



奴隷は、ご主人様を喜ばせなきゃいけないから。



だから、もっと気持ちよくしなきゃ。



「腰とまんねっ……はぁ、ぁっ……お前の、腰もっ、すげぇエロくくねって、マジでたまんねぇ……」



喘ぎ過ぎて、声が枯れ始め、頭ももう真っ白で、言葉もなくただ、喘ぐ。



「あぁっ、あっ、んぁっ、はっ……」



「中っ、締め付けてっ、俺のコレが好きだって、離したくねぇってよっ……はっ……あぁ……俺も出たくねぇわ……んっ」



お互いの荒い呼吸を聞きながら、また快楽の波が襲いかかる。その度に何度も体をビクビクとさせて、体を仰け反らせる。



「イキすぎっ、はぁっ……んっ、あぁあ……。なぁ、俺だけの奴隷に、なる? 毎日好きな時に気持ちよくしてやるけど? てか、もう俺でしか、気持ちよくなれねぇんじゃね?」



耳元で優しく誘惑する低い声。



こんなの毎日なんて、快楽で死んでしまうんじゃないかという恐怖が不安に変わって、素直に頷けない。



「他の奴に抱かれて試してみるか? 俺はいいぜっ……はぁ……他に抱かれてみてさ、俺とのセックスが、んっ、どれだけ、気持ちぃ、かっ……その体で体験して来いよっ……はぁ」



この人は、何を考えてるのか。



どれだけ優しくされても、奴隷であって、恋人じゃない。



私が誰に何をされても、この人は何とも思わない。なら、彼の思うままに奴隷として、動くのが、私の正しい役割だ。



「んじゃ、そろそろっ……」



「ひああっ!」



足を持ち上げられ、一気に奥を突き上げられる。体が激しく痙攣するのが止まらないまま、何度も腰を打ち付けられる。



皮膚のぶつかる音といやらしい水音と匂いが、部屋を支配して、頭をおかしくさせる。



この愛も何もない、ただ快楽を貪るだけの行為も、嫌な事や辛い事を考えなくていいから、好きになれる。



気持ちよすぎて、どこを触られても快楽しかなくて、声にならない声をあげていた。



「ん? またっ、イクの? ククっ、いいよっ、イケよっ、俺もっ……イクっ……」



「あっ、あぁ、あっ、んぁっ、ゃ、あぁぁぁぁぁっ!」



揺さぶられるままに、彼にしがみついて意識を手放した。

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