第4話
処女であろうがなかろうが、私には正直どうでもよかった。
ただ、未知の領域だし、経験がないから怖さもある。そして何より、目の前の彼が、奴隷相手に優しくしてくれるとは限らない。
噂通りなら、痛みは覚悟しないといけない。
「何? 怖い? 奴隷なのに、俺に優しくして欲しいの?」
ベッドに組み敷かれ、意地の悪い顔で見下ろされる。
「じゃぁ、おねだり、してみな? 気に入ったら……お願い、叶うかもよ?」
おねだり。それをすれば、優しくしてもらえるとなれば、それがいいに決まってる。
今更恥も何も無い。やってやろうじゃないか。
精一杯私の中にある、微量な女の部分を引っ張り出す。
出来るだけ、男心を擽るように。あの人みたいに、利用するんだ、女を。
「やさ、しく……して、くださいっ……ぉねがぃ……しますっ……」
恥ずかしさに涙目になる。これは有難い。潤んでる瞳の方がいい。あの人がそうやって男を誘惑しているのを、近くで見てきた。だから、大丈夫な、はず。
「マジか……お前やべぇな。なかなか下半身にクル事してくれんじゃん。いいねぇ……気に入った。奴隷に優しくするつもりなんて無かったけど、今の可愛いおねだりに免じて、今日は特別に優しくしてやるよ……」
髪をさらりと撫でられ、触れるだけの口付けが落ちる。
「キスも、初めてか?」
恥ずかしさに、控えめに頷く。
今から起こる事に頭がついて行かず、今までの余裕が微塵もなくなってしまった。
もう、どうしたらいいか分からない。
「体ガチガチじゃん。緊張してんの? 可愛いね……心配すんなって、気持ちよすぎて、何も考えられなくしてやるよ」
私が今するべき事は、抵抗せず、彼の機嫌を損ねずにやり過ごす事。
それだけを頭の隅に置き、身を委ねる。
大丈夫……大丈夫……。
恋人がするような優しいキス。どんどん深くなる。いやらしく動く舌が唇の間を割って入ってくる。
「舌、絡めて……はぁ……そう、上手いよ」
小さな子供を褒めるように、柔らかく笑う。
お互いの唾液が混ざって、唇の端を伝って零れ落ちる。最後に下唇を甘噛みされ、唇が離れていった。
口の中を丁寧に舐め回され、息が上がる。キスって、こんな気持ちいいものだなんて、知らなかった。
「キスだけで、ココも喜んでめっちゃ固くなってる」
いつの間にかボタンが外され、ブラもずらされて、二つの突起が現れる。
「お前、ちぃせぇのに、結構胸あるんだな。しかも、なんだこれ……細ぇ腰に、丁度いい形の尻……エロい体してんな……」
服を脱がせながら、説明をしてくれるけど、全くいらない。なんだろう、この羞恥心を掻き立てられる拷問は。
「っ……ん……ゃ、あ……」
胸の突起を両方弄られ、聞いた事のない初めて出す声が耳に届き、口に手を当てる。
「おら、声我慢すんな……しっかり鳴いて、いっぱい聞かせろよ……」
手を退けるように掴まれ、指先にキスが落ちる。
ほんとに、恋人になった気分にさせる。これは困る。
長い事両胸を愛撫する舌が離れ、おへそ、腰、お腹にキスをしながら、秘部を隠していた下着に手がかかる。
「ゃぁ……」
「布越しでも分かるくらい、びっちょびちょだけど?」
下着越しに撫でられ、まるで電気が走る様な感覚に体がしなる。
素早く下着が剥ぎ取られ、それを隠すように、足を閉じる。
「こーら、閉じたら可愛がってやれないだろうが。ほら、股開け」
「は、ずかしっ……」
誰にも見せることがないと思っていた場所が開かれ、羞恥に顔が熱くなる。
「恥ずかしさなんかそのうち分からなくなるさ。意識吹っ飛ぶくらい、気持ちよくしてやるから、せいぜい可愛く喘げよ」
「え、ちょ、やだっ、ンンんあぁっ!」
股に顔を埋めたのを目にした後、何とも言い表せない程の快楽が襲う。喉を引き攣らせ、枕を両手で握りしめ、声を荒らげて身悶える。
「なめっ、ちゃ……だめぇっ……」
「んー……はぁ……何で? 甘くて最高に美味いけど?」
普段は排泄にしか使わない場所を舐めて、美味しいわけがないのに、理解できないまま、次々とくる快感に体をビクつかせる。
「やだぁっ、やぁ……そこ、だめっ……んああぁあぁ……」
濡れそぼったソコの突起を舐めて吸われ、ゾクゾクと体に電流が走る感覚に、体が痙攣して仰け反った。
気持ちよすぎる。こんなの経験しちゃったら、もう戻れない。
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