第22話

「だったら別にわたしじゃなくても…」


「どうして?」


「それなら、尚更他に沢山いるんじゃ…」



そこで敢えてわたしにしなくても、薫くんがその気になれば、すでに両思いになれそうな子は何人かいるはず。



薫くんを嫌ってるって人を、わたしは見たことない。



そう思いながら純粋に思ったことを口にすると、嫌味のない顔で薫くんは微かに笑い。



「見た目が好みで知りたいと思った。話してみたら、もっと好きになった。これって正当な理由だと思うけど?」



わたしの少しドライな質問にもサラッと答える男。



ここまで言われて初めて薫くんをきちんと意識したような気がして。



「あのさ…、」


「ん?」


「これって、返事とかした方がいいの?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る