第5話

まあだからつまり、薫くんはわざと藍が嫉妬するようなことをしたってことで……。



それに気づいていた藍からすれば、薫くんはたしかに喧嘩っ早いというふうに見えるだろうと思った。



納得していると、薫くんはまだバツの悪そうな顔をしていて。



「光、ほんとごめん。」


「え?別に…」


「俺が嫉妬したんだ。」



嫉妬って……。


いつも穏やかで掴めない空気を出す薫くんにストレートに言われ、目を丸くする。



「でも、アレは言うべきじゃなかった。」


「……」


「今、光がここで一人で落ち込んでるの見て…本気で後悔した。俺は光に嫌な気持ちになって欲しかったわけじゃないのに、言うべきじゃなかった」

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