正解はライチュウ?
アニメポケットモンス○ーに出てくるライチュウだが影は薄い。
1度サト○のピカチュウはライチュウに進化する機会があったのだが進化しなかったことでピカチュ○にばかり注目が行って影も薄くなったのだ。
もしあの時進化していればライチュウに電気玉の補正が入った可能性もあったのに⋯⋯
そんな『宇宙の始まりは来世からだ』から浮かんだライチュウだが果たしてコイツとこの機械世界最後の花になんの関係があるのか⋯⋯いや、もしかすると関係なんてないのかもしれない。
◆◆◆
「ゴンゾウ、ライチュウとはなんなのだ?」
「分からない!だけど浮かんできたのじゃ⋯⋯それしてワシの勘はこれが答えと言っておるのじゃ!」
「⋯⋯我は信じるぞゴンゾウの勘を」
―――勘頼りの2人が共鳴した瞬間であった。
「ちなみにライチュウとはなんなのだ?」
「⋯⋯電気ネズミでこいつは恐ろしいことに10万ボルトにも及ぶ電撃を出せるじゃ!それはインド象をも気絶させるという。そして地面による攻撃が弱点なのじゃ」
「なんだと⋯⋯!?インド象が何なのかは分からないがなんて恐ろしいのだ⋯」
「だが⋯⋯
「宇と世⋯⋯宇うと
ついに答えが出てしまった。
10万ボルトのうようよ出る場所に機械世界最後の花はあるのだ。
―――きっと
「⋯⋯アルファよ、そんな所があると言うのか?」
「1つ⋯⋯王国にある発電所ならばその条件に当てはまる」
この世界の電気の殆どは王国の大きな発電所にて不老不死で疲れを知らぬ操り人形となった廃人達が24時間休むことなく手動で作っている。
その発電所では何千万ボルトも廃人達の手によって生み出されているのだ。
「アルファ⋯⋯時間が惜しいから早く連れて行って欲しいのじゃ」
「あぁ⋯⋯我も唯一の人間を人間で無くすのは嫌だからな」
アルファが翼を生やすと王国にある発電所へと一直線に向かう。
―――そうして飛ぶこと数分で発電所にまで着いたのは良かったが⋯⋯花のある細かい場所までは分からなかった⋯⋯考えていなかった。
それにまず発電所内には廃人が蔓延っており迂闊に入ることは出来ない。
つまり詰みである。
王国に飛ぶにあたって翼を羽ばたかせたのだから見つかるのは当たり前だし2人は数多の廃人によって地に降りた所を捕えられるのであった⋯⋯
◆◆◆
―――それはそうと1日前
「⋯⋯なぁ私は本当にこんな事をしていてもいいのか?」
「王よ、貴方の偉大なる父もまた同じように支配していたのです」
「だが⋯⋯民の気持ちはどうなる?民は私と違って感情を捨てて今も尚、命令に従っているのだろう?」
「大丈夫です王、私は貴方の味方です」
部屋の一室で王とその側近⋯⋯不老不死の研究者がそんな会話を交わしている。
「だが私は⋯⋯」
王ことマルシアは国のシステムに疑問を感じていた。
幼くして王である父親を無くしこの国の成人年齢である16歳ではなく20歳の時に不老不死になってから彼女は正式に王位を継承したのだ。
そんなマルシアにとって20歳になるまでずっと傍で育ててくれた側近のマッドは第2の父のような感じていた。
だからこそ王位を継承してから今に至るまでの180年もの間国の運営のほとんどを任せていた。
マルシアが王になってから⋯⋯いや、先代の王が死んでからの約200年の間ずっとマッドが全てを裏で手を引いて居たのだ。
ある時は仮の王として職権を乱用し無理やり国民を不老不死にしてまたある時は国民の反乱を面倒に思ったことをキッカケに都合のいい操り人形に変えたり。
そうすることで以前の王の筆頭騎士ことティスタを除く全ての騎士と国民はマルシアが成人する前には不老不死の操り人形と成り果てていた。
⋯⋯逆になぜティスタは操り人形にされなかったのか、それは必要がなかったからだ。
ティスタは王の筆頭騎士であったのにも関わらず自分の知らぬ間に守るべき相手を失ったのだ。
本来果たすべき職務を出来なかったティスタは精神を病み国民たちとはまた違った人形となってしまった。
本当であればティスタこそが現在のマッドの立場につくべきであったが⋯⋯そうして現在ディスタは唯一意思のある騎士となった。
だがディスタとマルシアの2人は約200年という不老不死になったが故の遅すぎる段階で疑問を持ち始めた。
ディスタはこれが王の本当に望んでいることなのかと。
マルシアは民を思うのならこれではダメでは無いかと。
マルシアはそんな疑問を持ち、ディスタはその疑問から行動をとることにした。
それは一見、潜水艦の様に水に潜ることも出来て飛行機のように自在に飛べるものに乗った。
そうしてディスタは海辺へと訪れていた。
それはかつての友であり、王の死因となった吸血鬼から聞いたことのある話⋯⋯この海には別の世界に繋がるゲートがあると聞いたことを思い出したからだ。
ディスタはあるかもしれない別の世界の可能性を信じた。
もしかするとその世界になら吸血鬼のように異能を使うことの出来る存在がおり自分の王を生き返らせてくれるのでは無いかと。
そうして王本人から真実を知りたいと思った。
―――が、実際に待っていたのは異世界は建物の構造こそ違う物の夢見た様な場所ではなかった。
それどころか慣れない物を運転したことで建物を崩壊させた挙句に住人の命を脅かしかけた。
住人の命の別状がないかを確認する為だけに1度降りたディスタだが気を失った老人を見つけたところで近隣の住人が集まったことで関係の無い老人までも連れて元の世界へと飛び立ち再び異界へのゲートを閉じた。
そして海から上がろうとしたところで家とぶつかったことで故障した機械が地上まで残りわずかというところで動かなくなってしまい―――
結果的にディスタは関係のない老人を巻き込んでこのまま2人死ぬという状況に陥ったのだが危機一髪、無理やり扉をこじ開けることに成功し、元筆頭騎士としての体力により老人を連れて岸まで来ることが出来た。
そうしてディスタは意識を失ったままの老人に最低限の処置を施すとその場を離れた。
それが無責任だと分かっていたがかと言って王宮に連れて行けばその老人がどうなるか分からなかったから。
―――そうして1人で王宮前に戻ると待っていたのはマッドであった。
国民や騎士には24時間働かせている中、マッドは王宮の前で何時間も待っていたのだ。
「ディスタ、どうやらお前は人形じゃなくなったようだ」
マッドがそう告げた次の瞬間、国民であった人々によりディスタの意識は奪われようとする―――そんな時、1人の声がかすかに聞こえた。
「お前もまた人形にしてやるから安心しろ」
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