第15話

言われるがままに、とりあえず着てみた。


うん。やっぱり可愛い。


そこにまた坂井さんがカーテンの隙間から顔だけ出してきて、


「うん。やっぱりそれもいい。それも買おう」


と言って微笑むと、私は驚いて坂井さんを見つめた。


「えッ?いいわよ。洋服なんて」


「それ着てくれたら、俺も今度スーツでも着て、外でメシとか、いいよなぁ?」


「え?!」


思わず赤面して坂井さんを見ると、坂井さんはニヤリと笑ってまたカーテンから姿を消した。


や、やばい。


昼間も主導権握られそう…!私が考えてること、読まれてたんだ!さすがAB型。簡単には主導権握れないわ…!悔しいっ。←流されやすいO型。


そうして、私はまた自分の洋服に着替えて試着室を出て行くと、坂井さんが歩み寄ってきて私の持っている黄色のワンピースをまた取り上げて、レジに向かった。


「え?坂井さん?」


「会計するぞ」


「え?パジャマは」


「もう選んだ」


「え??」


坂井さんは私の手を繋いでレジに行くと、


「さっき預けてた服と、これも追加ね」


坂井さんは無愛想のまま黄色のワンピースもレジカウンターの上に乗せて言うと、女性店員は頷いて、後ろに置いていた服を何着かカウンターに乗せた。

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