第14話
まだ、昼間はさすがに恥ずかしい。呼んで欲しいかな。どうなんだろう。でも、エッチの時に名前呼ぶと…興奮するみたいだし。やっぱ、夜に取っておこうか。いつか、普通に呼べるようになったらいいな…。
とりあえずまた着てきた服に袖を通しワンピースを着て試着室を出ると、坂井さんは色んな服を適当に触りながら見回っていた。
「い、違和感しか、ない…」
私は坂井さんの姿を見てそう呟くと、坂井さんに歩み寄った。
「な、なにしてるの?」
「ん?いやぁ、なんとなくな?お前に似合いそうなの、探してた」
「え?センスある?大丈夫?」
「バカにすんな」
そう言って坂井さんは、黄色のニットのワンピースを取り出した。
うわ。可愛いかも。
「これ、似合いそう」
なんか、それはそれで、ムカつくんですけど。
じろっと坂井さんを見ると、坂井さんは私が持っているラベンダー色のワンピースを奪い取り、今度は黄色のワンピースを私に渡して、
「はい、これも着てみて」
と言ってまた試着室に押し戻した。
な、なに考えてるの、こいつは…!
黄色のワンピースは、膝上の丈で、フレアースカートになっているワンピースだ。半袖の裾も緩いカーブになっていて、可愛い。
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