第10話
「そんなに俺の服、臭いか?」
そーじゃないってば。とにかく一緒に出かけられることが嬉しい。だって、デートよ!待ち合わせはないけど、出かけられる!やっぱり女子は、デートしたいもんよ。私も、そこら辺の普通の女子と同じ感性持ってたのね。
*
そうして、私と坂井さんは有楽町にやってきた。
私が好きな洋服のブランドショップは、有楽町のショッピングビルに入っている。そんなに高くはないけど、20代から30代の女性に人気のあるファッションブランドで、そこそこ名も知られている。自宅から近いお店は、有楽町。電車移動が嫌いな坂井さんは嫌な顔せず、意外にすんなりと有楽町まで車を出してくれた。こえして出かける度、私が助手席に乗るのも定着してきたような気がする。
とりあえず無精髭は剃ってもらったし、緑色のシャツにジーパン。パーカーを羽織っていつもよりおしゃれに仕上げた理は、私の後ろでキョロキョロしながら店内を見渡している。そうして専門店のビルの3階に上がり、ショップに到着すると、私と理は少し離れて店内を見回っていた。私は部屋着やパジャマを見て回っていると、
「雪子。俺タバコ」
「駄目です」
ギロッと睨みながら、私は即答する。油断するとすぐタバコ吸いにいくんだから。ニコチン中毒エロジジィめ。チラッと横目で坂井さんを見ると、坂井さんは残念そうに肩を落としている。べ、ベッドでは主導権は譲るけど、昼間は私が主導権を握る!!
「あ。そうだ。ねぇ、坂井さんは何色が好きなの?緑?」
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