第9話

「だって、お前のここ、なってるし。ほら」


まだ繋がったままなのに、坂井さんは指を局所に入れて擦ってくる。それがまた思い切りキュンとしてきて、


「だ、だめ。触っちゃ」


と目を瞑ると、坂井さんはそのまま腰を動かした。


「理…っ」


「…たまんないっ」


そうして、朝から二回戦に突入してきまった。


ほんと、エロいんだけど…。この人…!野獣!!


野獣に、認定!!




二人で少し遅い朝食を食べ終わって、私は坂井さんの家のキッチンで食器を洗っていた。坂井さんはソファで横になっている。洗濯物も干したし、今日はいい天気だから、早く乾きそうだ。デート、してみたいなぁ。私はお皿を洗いながら、そんなことを考えていた。坂井さんとはまだデート、したことはない。


そう思っていると、ふと坂井さんは「おいっしょ」と呟きながら上半身起き上がり、ソファの背もたれに肘をかけて振り向いて私を見た。


「雪子」


「え?なに?」


私は蛇口の水を止めて、シンクの下に掛けているタオルで手を拭いて振り向いた。坂井さんは私を見て、ちょっと目を泳がせている。


「俺んち用のパジャマとか部屋着、いるなら、買いに行くか?」


「え?!」


「いや、俺の服とか着てるとこも可愛いけどさ…。欲しいかなーとか」


「欲しい!買い物したい!一緒に!!」


私は思わず坂井さんに駆け寄って飛びつくと、坂井さんはなんだか少し驚いている。


「え?そんなに嬉しい?」


「嬉しい!」

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