第18話 小牧の選択2
高柳と名乗った店長は、これは失敬、と言わんばかりのジェスチャーを交えつつ、さらに話を続けてきた。
「お嬢さん、そいえば確認するの忘れてたわ。その店長の名前さ、加治って言わない?」
「・・・は、はい。そうですけど」
「やっぱり。そいつにコーヒー仕込んだの、俺だから。元同僚な訳よ、俺たち」
・・・そんな偶然ある?
と、思って、でも思い留まる。
そういえばこのカフェ、何か雰囲気が似てる。
私が加治店長と出会った、あのカフェと。
「・・・まあ、ここまで話しておいて、何だけど。この情報をどうするかは、君たち次第だけど」
「あ、あの」
またしても三船くん。
何だろう、普段のサークルの時からは想像できない、この行動力。
「ちなみにその、加治さんって方の移住先はどちらに?」
「ん?鹿児島。霧島ってとこで、古民家カフェしてるけど」
・・・そんな奇跡ある?
今度、アウトドアサークルで、合宿しに行くところ。
三船くんが私に視線を送ってくる。
私は数回瞬きをした後、思わず声を上げた。
「あ、あの、い、行きます!・・・その、古民家カフェ」
高柳店長は私のその返事を聞いて、意地悪そうな笑みを浮かべて。
でもちょっとだけ、優しそうな表情も垣間見せながら、答えてくれた。
「いいねぇ、面白くなってきたじゃん」
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