第15話 三船の選択2

認めること。


自分自身の気持ち。やりたいこと。


周りからどうこう言われる前に、世間の常識に当てはめる前に。


まずは自分が、認めなきゃ、その先に進めない。


そこで踏み外した階段は、結局、足枷になって自分の足を引っ張ってしまうんだ。


そうなることは、自分が一番、よく知ってる。


先輩には、その道をできる限り、進んでほしくない。





「・・・そっか」


「はい」


「・・・そうだよね、言うだけなら」


「そうですよ」


「うん、そうだよね、そうかも」


「先輩、その、店長って人に、会いたいですか?」


「・・・うん。会いたい・・・会いたい・・・」





そこまで呟いて、先輩の目が涙ぐんでくる。


そして緩やかに、噛み締めるように、頷きながら涙を堪えている。





何か、思わぬ形で失恋してしまったような気もするけど。


それは、まあ、いいか。


先輩が先輩らしく、過ごしていけることの方が、大事だろう。





自分は色んな四方山まとめて、創作意欲に、変えてしまえば良い。


うん、そうしよう。

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