三船の選択

第14話 三船の選択1

小牧先輩は、本当にその人のことが好きになったんだろうな。そう思った。


かくいう自分は、一目惚れがどういうものかよく分からないから、何とも言えないけど。


でも、抑えきれない気持ちを出せないまま、もやもやする感じは、恋愛じゃないけど、分かる。





「あの」





先輩の様子が、落ち着いてきた感じになったのを見計らって、少し、質問してみることにする。





「先輩、その、店長って人に、会いたいですか?」


「え?」





少しの間。戸惑ってる感じがする。


でも、ここは我慢だ。待ての、一択。





「・・・いや、でも、もう結婚してるかもしれないし、こっちに居ないだろうし・・・」


「良いんですよ、先輩。結婚してても、こっちに居なくても」


「ええ?」


「会いたい、って、言う分には、何も問題ないです」

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