三船の胸の内

第4話 三船の胸のうち

「小牧先輩、珈琲はブラック派なんですね」


「ん?」





とりあえず思ったことを、口に出してみることにする。


案の定、小牧先輩は少しフリーズしてしまったけれど、自分としては、大きな一歩だ。





小牧先輩は、同じ大学の先輩だ。


集団の中でも孤立することなく、皆とそつなく交流してる感じで。


かといって、迎合してるような雰囲気もなくて、何というか、立ち振る舞いが凜としている。





じゃあ自分はといえば、そんなことはなくて。


大学デビューなんて、する訳もなく。


ただただ、無難に過ごした毎日。





好きなことをしていれば、それで良いと思ってた。


でも、先輩と出会ってからは、何だかそういう訳にも行かなくなっている、自分がいる。

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