楓の行方は。

楓の行方は。-1-

「紅葉、綺麗ですねぇ」


「そうねぇ…とても、鮮やか」



二人の歩く、通り沿い。

並ぶ木々の葉が、赤や黄色に染まり、街を彩る。



「先輩は、モミジとイチョウ、どっちが好きですか?」



軽く投げかれられた、愛花からの質問。

清花は、少し間を置いてから答える。



「んー…ここは敢えて、楓、としておこうかしら」


「楓…ってことは、モミジ、ってことですか?」


「ま、そうなるわね」



清花は微笑みながら頷きつつ、話を続ける。



「ただ、漢字の雰囲気とか、名前の成り立ちとか知ったら、楓、って言いたくなったのよ」



今度は、愛花が少し間を取って、答える番だ。



「んー…名前の成り立ち、あんまり想像つかないです」


「そうだと思う」



清花は少し勿体ぶりつつ、

正解を披露することとした。

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