第18話  え?

「長坂 英一って君か?」と後ろから声が聞こえた。

英一が「お前誰?」と後ろを振り向くと、弘匡(ひろただ)が「お前こそ、誰だよ。偉そうな事を言いやがってよ」と英一に話し掛けた。

弘匡の後ろにはハルカが居て「弘匡君、私の事を嫌って居るのかあまり、話をしてくれないの」と英一の事で話をして居た。

弘匡が「僕はそんな事をしないよ。でも、僕の大切なハルカを泣かすなんて許さない」と英一を睨んだ。

英一が「何だよ?俺が一方的に悪い事をしているみたいじゃないか」とハルカに反抗した。

ハルカが「だって、私が英一の元カノのTシャツをくれたのに、汚くしたじゃない?それでも悪い事をしてないって言うの?」とぶつぶつ文句を並べた。

カノカが「はいはい。2人して何意地張って居るのよ?」とハルカと英一が喧嘩をして居る様子を見て痺れを切らした。

ササミも「そうですよ?喧嘩しても良い事なんて無いですよ」とカノカの肩を持った。

英一が「そんな事を言ったってよ?まー、悪いのは俺が悪いんだけど、俺と一緒に寝てるハルカもハルカだよ。そんな大切にして居るTシャツを着て居るハルカにも悪いところがあるな」と率直な意見を述べた。

ハルカが「それもそうだね。でも、私はTシャツ汚されてよだれまで垂らされたこのTシャツしか無いの」と英一に話をすると、英一が「そんな、Tシャツぐらいまた買ってやるよ」とハルカに声を掛けた。

ハルカが「え?本当?嬉しいな」と英一にとびきりの笑顔を見せた。

弘匡が「じゃ、僕はどうすれば良いの?ハルカちゃんは、英一とまた仲直りするの?」とハルカに返事をした。

ハルカは「うーん、今はどうでも良いかな?」と弘匡に返事を返した。

弘匡は「そんな?!じゃ、僕の出る幕はもう無いって事?」と悲しそうにして居た。

カノカが「そんなにがっかりしないでさ。また良い事あるよ」と、弘匡を励ました。

弘匡は「そうだなー。今度は僕が純粋に幸せになれたら良いな」とハルカ達を見て憧れて居た。

ササミが「幸せになれますよ。もしなれなかったら、その時はその時ですよ」と弘匡を慰めた。

弘匡が「ありがとうございます。でも、幸せになれてる人が羨ましい」とハルカ達を羨ましそうに見て居た。

帰りに弘匡が「あ、お疲れ様。ハルカちゃん」とハルカに挨拶をした。

ハルカは「あ、お疲れ様。今からちょっと寄りたい所があってね?一緒に行く?」と弘匡に尋ねた。 

弘匡が「うん。一緒に行く。てか、どこへ行くの?」と何も分からないでいた。

ハルカは「此処だよ」とビル街の横にある洋服屋 ハルカゼを指差した。 

弘匡が「え?此処?此処って男物の洋服ばかりが売って居る所だよね?」とハルカに苦笑いを見せた。

ハルカが「そうだよ。私の大切な人の為に買いに来たのよ」と弘匡に話をした。 

弘匡は「そんなに大切に想って貰えるなんて良いな」と英一を羨ましく感じて居た。 

ハルカが「これ下さい」とレジに声を掛けた。

そして、ハルカが「弘匡君、今日は付き合ってくれてありがとう。そうだ、そのお礼と言っては何だけど、このTシャツあげるね」と黒のTシャツをプレゼントした。

弘匡が「ありがとう。また何かあったら言ってね?付き合うからさ」とハルカに気持ちを伝えハルカと弘匡は帰路に立った。

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