第5話 元に戻るには

どうやら、モブとしては生きていけないらしい。

このゲームをクリアしないと。

そうだ。

先生。

彼は、相談に乗ってくれた。

しかし、女性は苦手だと言われて慎重に距離を縮めてくる。

このまま、わたしの正体を知っている『瀬海胡桃』先生ルートで行こう、、、、、。

苦手意識があるのはお互い様だから。きっと大丈夫。


そうだ。今度、お弁当を作って食べてもらおう。

そのために、主人公の幼馴染ーー秀治に相談に乗ってもらって、美味しい料理の作り方を勉強することになった。

先生に好意を抱いた、、そう言ったら悲しそうに、笑いつつ、笑顔で心得てくれた。


ーー放課後ーー家庭科室キッチン調理室ーー


「そう、ハンバーグはそのぐらいの焼き加減で。」「ブロッコリーの茹で加減も大丈夫だ。」「うん、卵焼きも塩加減がいいね。」「ーーーうん、、案外と、上手だね。」

「コレなら、大丈夫かな。特に教えることないじゃないか!すごいぞ!望!」

秀治は作り方を簡単に教えてくれた。

「あとは詰めるだけだけど、コレが意外と難しいから気をつけて、。そう、そこに詰めて、、。隙間を詰めすぎず、付け合わせは大事に。味が反対なのは場所を考えて。、ほら、できた!」


作り加減は上々!

「ふーーー、。ありがとうな!秀治!先生に体にいい栄養とってもらうぜ!」最近ようやく男子生徒らしく振る舞えた。

「望ならうまく行くよ!応援してるから!」秀治も俺の違和感に口出すことしなくなった。


そこで運悪く?入ってきたのが、先生だった。

「おやおや、放課後に調理室を借りた生徒がいるって聞いたから誰かと思えば望と串崎じゃあないか!どうしたんだ?実習の勉強かい?」


ーー俺たちは顔を合わせてーー

ーー(今だよ!渡してしまえ!)

ーー(うん!さんきゅ、秀治!)



ーー「先生!!俺!先生に惚れたので、好意のお弁当作ったんです!!食べてください!」

女生徒の顔を捨てて、それでもなお、恋心を忘れずにいた顔で。

先生に今しかた作った弁当を渡す。


胡桃先生は苦笑いしながら、、受け取った。

「ーーありがとうーーこういうことかな?踏ん切りつかないから、俺で納めておこうってはらかい?」

ーーーバレてたか。


それでも綴る。恋した顔をして綴る。


「先生に恋しちゃまずいですよね、、ごめんなさい、、。この弁当は俺たちで処理します。。」

瀬海先生はそれを聞いて、苦笑いしつつ。軽くため息ついて、弁当を受け取った、、。

「弁当箱は洗って返すよ。ちゃんと授業に励みなさいね、、。やれやれ。。。モテるってのも辛いなあ。」

ごめん!先生!この世から未練を残したばっかりに転生してしまって!!


コレからが俺の学園生活の本当の始まりかもしれん!

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