Episode24【リュウ】
【リュウ】
──そして、緑の見ていたその空を、違う場所から見上げている男がいた。
空を見上げるリュウ。
その傍らには、部下が一人いた。
空から視線を反らしてから、リュウが言う。
「ついに、弟と戦争だ――……」
「リュウ様、本気なのですか……?」
部下が心配そうに、問いかけた。
リュウは表情を崩さないまま、答える。
「俺が本気でなくとも、ウルフが本気だ。 賢い弟だ。 昔からアイツは、計画を進めていたのさ。 ウルフが本気なら、俺も本気になるしかない」
そう話して、再びリュウは、青い空を見上げた。 そのまま、瞳をとじて、青空から降り注ぐ、光を感じた……─―
リュウの手が動いて、その手は、自分の胸の位置で止まった。 その手が、まるで何かを握るような仕草をする……
「……――」
その手の動きを、部下が、不思議そうに眺めた。 そして部下は何気なく、リュウに問いかける──
「胸の前の、その手はなんです? ……」
するとリュウは瞳をひらいて、答えた。
「ただの癖だ。 昔は、いつもココに、シルバーネックレスを付けていた……――それを、握る癖があった。 今じゃ握る物がないまま、手だけが、空振る」
部下は可笑しそうに、首を傾げる。
「癖が残っている程なのに、今は、付けないんですか? ──」
リュウは空を見ながら、優しく、微笑む――……
「そのネックレスは昔、愛する恋人へ、渡したのさ……――」
美しい青空が、何処までも何処までも……続いていた……──
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【 Ⅳ VOLU
【 CONTI
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※次のページに【あとがき】あります。
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