Chapter 2 【変わり始めた日々】

【変わり始めた日々】

 夜の街。見知った街。今はやけに荒んで見える……


 ──夜の街で、通話をする女が一人。


「お久しぶりです……――」


 通話の相手は、レッド エンジェルの捜査部隊、指揮官を務める男。


―「よくまた、連絡をくれたものだな。──あの三日目のパーティーの後、君を連れ出したのは、稲葉 誓と川原 響。俺と関わらないよう、稲葉に説得されたものだと思っていたが……」


 すると女は、可笑しそうにクスリと笑った。


「私は強情なんですよ? ――自分の道は、自分で選ぶ……」


―「それは良かった。感心する。──この流れだと、君が自分で選んだ道というのが、“俺に協力することである”と……──そう捉えて良いのか?」


「そのつもりで、連絡しました」


―「頼もしいじゃないか? 是非ともお願いしたいものだ」


「もちろんです。──三日目のパーティーの日、誓と一緒に逃げる私の元へ、幹部の男が私を取り返しに来た。つまりウルフ……──レッド エンジェルは、私を逃がすつもりではなかった」


―「なら、話は早いな?」


「えぇ。私がになります」


―「一応、この間預けたピアスを持ち歩いていろ。何かの危機に直面した時だけ、つけるんだ」


「普段はつけなくて良いってことですか? ……けど、驚きました。あの青い宝石のピアス……あんなに小さいのに、本当に機能が充実してるから……」


「あぁ。年中付けていてもらった方が、良いことは良いのだが……──出来る限り、君の安全確保に使う事とする。──つけなくても、いつも持ち歩くんだぞ? 前にも説明したが、あのピアスは、人間の体温に反応して作動するGPSだ。何かの危機に直面した時だけに耳につければ、体温でGPSが作動する。そうすれば、我々が駆けつける」


「分かりました。とりあえず私は、レッド エンジェルと接触をはかる……」


―「そうだな。その為には、奴らレッド エンジェルの居場所を突き止める必要がある」


「…………」


「そう悩むな。居場所を突き止める為に、既に他のやからを用意した。君にはまず、に会う必要がある。──今から場所を指示する……しっかりと脳にインプットしろよ? ……――」


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