第4話

一か月前。

学校から帰っている途中。


不良に絡まれた私こと白雪(しらゆき)まほろは、偶然に通りかかった大鳳(おおとり)咲人(さきと)さんに助けてもらった。



『この子に、手ぇ出さないでね』



見た目二十歳を越えていそうな、大人な佇まい。


あの時は、ピシッとしたスーツを着ていて、栗毛の髪がふんわり風になびいて。端正な顔も夕日に負けないくらい輝いていて、まるで白馬の王子様だった。



『ちょっと待ってて』



なんて言った後。人目につく大通りに私を残した後。咲人さんは、不良たちを路地裏に連れて行った。


まさか殴ったりして制裁を加えているとか……!?なんて思ったけど。チラリと見たのは、真剣な表情で話している咲人さんと不良たちの姿。


――少しの会話を交えた後。


不良は四散し、「待ってて」と私に言った咲人さんは、約束通り私の元へ戻ってきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る