第2話
長い手足、好き。
ふとした流し目、好き。
細い線なのに引き締まった体、好き。
「ねぇ、ミミ」
気だるそうに私を呼ぶ声、好き。本当の名前はまほろなのに「俺のネコになったんでしょ?」って。自ら考えてくれたニックネームで、ずっと呼んでくれるの、好き。
「ちょっと来て」
私を一度も見ないまま命令するの、好き。
「俺の前に座って」
冷たい瞳で見下ろされるの、好き。
一ミリも愛情の篭ってない雰囲気、好き。
「髪ジャマ。自分で上げて」
私の一部をぞんざいに扱うのは……少し悲しいけど。でも私に触れる手つきが雰囲気とは違い、柔らかいから、好き。
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