第24話

「香月のこと、本当かよ」


「え、香月雅?」


「告白されたのかよ」


「あ~……」



今日は、一日その質問をされた。香月雅に告白された?付き合ってる?彼女なの?って。


でも、どれも「違う」と答えた。香月雅が私で遊んでいるだけだって。



「あの香月雅が、私に本気なわけないよ。ただの暇つぶしだって」



ズキン


自分で言っておきながら、ちゃっかり傷ついている自分がいる。


自分のことを自分で「暇つぶし」と言っちゃうあたり、私は自分を大切に出来ていない。元カレからも大切にされない私は、自分からも大切にされないらしい。


しょぼん、と落ち込んでいると。そんな私も気にもとめない鈴木くんは「だよな」と、高らかに笑った。



「あの香月が、小里となんて。そうだよな」


(〝なんて〟って、言っちゃうんだ……)



恋は盲目、とはその通りなもので。


鈴木くんはひどい人だと、別れてから気づいた。付き合っている時は、微塵も思わなかったのに。

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