第23話
腑に落ちない事もあるけど。それでも、鈴木くんの棘のある言葉は、私に刺さらず抜けていった。それだけでも、良かった。
(終わった恋にまで、傷つきたくないもん)
だけど安心できたのも、放課後まで。
なぜなら――香月雅の公開告白を、既に教室に向かったはずの鈴木くんがバッチリ見ていたからだ。
更に、鈴木くんの周りで「香月雅に彼女を取られた可哀想な男」というレッテルが貼られ始めたからだ。
バンッ
「むかつく……」
「え」
放課後。
誰もいなくなった教室で、鈴木くんと二人きりになった。
その瞬間――鈴木くんは私を見て、顔を歪める。
「なんで俺がフラれたみたいになってんだよ」
「え……フラれたのは、私……だよ?」
「知ってるっての!」
びくっ
付き合ってる時ですら、昨日の別れ話の時ですら。鈴木くんは大きな声を出さなかったのに。
今は、すぐにでも暴れ出しそうな獰猛さを感じる。
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