第4話
末の妹君らしい頼子の叔母様は、先左大臣様の御孫である方と結婚なさった。
頼子の叔母様は一人だけ、息子さんがいて、子沢山な父様や義隆の叔父様をうらやましがっている。ちなみに、背の君に当たる方は新帝のいとこに当たられるし、中宮様の妹に叔母様も当たるから、姫が生まれていたら、婚約話が出ていたかもしれない。
「姫様、後、少しで中将様方が来られますよ。用意をいたしますね」
小鈴が知らせてきたので、私は居住まいをただした。
「わかったわ。お二人をお通ししてちょうだい」
わかりましたと、小鈴が答える。
しばらくして、頼忠殿と規久殿が私の部屋にやってきた。
二人の極上の美男子の登場で、小鈴がやたらと興奮しまくっている。
私はそれを無視して、二人に直に、挨拶した。
「左近中将様、それに藤侍従様。よくぞ、いらしてくださいました。今は父様や母様が不在ですので、これといったおもてなしはできませんけど。ごゆっくりとお過ごしいただけると、うれしゅうございます」
そういうと、中将こと、頼忠殿は私によく似たその顔に、満面の笑みを乗せる。
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