第2話

新しい中宮に女御様が選ばれた。

でも、中宮様には二人の男御子がいらして、先帝の藤壺女御様がお生み申し上げた東宮様ともしかすると、帝位を争う危険性をはらんでいた。

なので、梅壺様は今東宮を気に入らないらしいと宮中では、密かにささやかれているらしかった。

母様は香子という名で、かつては今上様の妃候補でなおかつ、想われ人だったそうだ。

父様は源友成といって、先帝のいとこにあたる。

母君が三代前の帝の二の姫宮だったらしく、血筋は高貴この上ない。

臣籍降下しているけど、元は皇家に連なる身分だったのだ。母様も降嫁なさった皇女様の孫に当たるから、私は都の名門の姫の中でも由緒正しい家柄の出身である。

いずれは帝か東宮様の妃になる。

私はそのために生まれてきたのだと、ふつうはいうだろう。けれど、私の両親はあえて、自分の好きな人と結婚しなさいと口にするのだ。

母様は何かというと、そういってくる。私は時々、会うお祖父様たちに、今東宮様との婚約を勧められている。

それをわかった上でいうのだから、侮れないのであった。

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