第2話
新しい中宮に女御様が選ばれた。
でも、中宮様には二人の男御子がいらして、先帝の藤壺女御様がお生み申し上げた東宮様ともしかすると、帝位を争う危険性をはらんでいた。
なので、梅壺様は今東宮を気に入らないらしいと宮中では、密かにささやかれているらしかった。
母様は香子という名で、かつては今上様の妃候補でなおかつ、想われ人だったそうだ。
父様は源友成といって、先帝のいとこにあたる。
母君が三代前の帝の二の姫宮だったらしく、血筋は高貴この上ない。
臣籍降下しているけど、元は皇家に連なる身分だったのだ。母様も降嫁なさった皇女様の孫に当たるから、私は都の名門の姫の中でも由緒正しい家柄の出身である。
いずれは帝か東宮様の妃になる。
私はそのために生まれてきたのだと、ふつうはいうだろう。けれど、私の両親はあえて、自分の好きな人と結婚しなさいと口にするのだ。
母様は何かというと、そういってくる。私は時々、会うお祖父様たちに、今東宮様との婚約を勧められている。
それをわかった上でいうのだから、侮れないのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます