第13話「山賊」
ダダッ!!!
バカラッバカラッバカラ!!
ドドドドドドッドドドドドド!!!
―――――風を切って大地を駆ける六体の馬、
トノと六大冒険者である。
「エーコク、大丈夫ですかねぇ?
もしかしたら今襲撃されているかも...」ダダダダ!
「優秀な国家魔術師と近剣隊が居るから大丈夫じゃろ」ドガンドド!
「近剣隊って国家魔術師のクロムさんとエーコク王子とエーコク王女で構成された側近部隊ですよね?
いつも思うんですけど特殊ですよね、あの部隊。」
「...そう言えばトノさん」ダダッダダ!!
「なんじゃ?アッカムイよ」ドガッドド!
「三週間くらい前の襲撃、獲り逃がした山賊って何人居るんですか?」 ダダダダッッッッ!!
「ざっと六人じゃな
アガリ・ポルパリア―
モー・ヴィシュタッツァ―
アカイシ・スカーレッド―
ミサ・クワンサイカン―
イワマツ・ヒジョウ―
ハイドゥン・ターギー、
恐らく八段冒険者相当である彼らの生存は確定しておる...。」ドンドドドドドッッ!!!
「なるほど、能力とかってのは...」ダダダダ!!
「まったくの不明じゃ、能力ってのは自分の戦法の八割以上を占めるモノ、だから他人には知られないようにする。
まぁ戦闘をしている以上使ってはいるんじゃろうが、見た者を全員殺しているから情報が無い...。
そんなとこじゃろ」ドガがガガガ!!!
「なるほど...言われてみれば長年付き合ってるのにトノ様の能力なんて知らなかったです」ダダッ!
「あぁ、知りたければ教えるぞ。
それぞれ「伸縮自在なハンマー」と「魔力の出力を増幅させ、広範囲・高威力で放出する」能力じゃな」ドドドドドドド!!!
「えェ!?教えちゃって良いんですか!?」ドガ
「まぁ儂強いから、対策しようが無いし。」ドド
「格の違いってやつか〜....」ドンガガ!
――――――――青い風と果てしなく続く大地はトノに過去を想起させた。
「あァ!?テメェ冒険者か!?」
『アガリ・オオダイ』当時15歳である。
「あぁ、そうだ」
『トノ』当時100歳だが、肉体年齢は40歳である。
「見つかっちまったらしょうがねェ!!!!
テメェをぶっ殺してでも俺は逃げる!!!」
「アルコ、こいつに見覚えは?」
「あぁ、あるぜ。
コイツは『アガリ・オオダイ』。
『アガリ・アルコ』当時20代。
「違ェ!俺はオオダイ・アガリだ!!山賊とは関係ねェ!!!」
「誰も山賊なんて言ってないが?」
「...あっ!」コツッ
バタッ!!!
「一旦気絶させた、持ち帰ろう」
「了解っす...重いな、筋肉か?」
[ミルク大宿街]――――――――
「――――――ハッ!」ズァッッッッ!!!
「起きてすぐ魔力放出とは、威勢が良いな!
まぁ
「お前...なんで俺を殺さない!!!」
「ちょっと話が聞きたくてな」
「嫌だ!殺せ!!覚悟は出来てるんだぞ!!!」
「本当にそうか?」ズォァァァッッッッッッッ!!
自分の魔力に殺意を乗せて放出する。
「ッ.....!!?」
「ほーらやっぱり死は怖いよなァ、生物なんだし」
「お前、
「俺は『トノ』!!エーコク直属の筆頭冒険者で」
「お前はオオダイ・アガリ、今日から山賊ではなく冒険者として、俺の
「...は?」
「オオダイ、俺に心を許せ。」
「意味分かんねェよ、クソジジイ!!」
「まぁ後三日は動けないだろうから、その期間でよく考えるんだな。
エマ!彼の
「はい!」
『エマ』
当時16歳、後にオオダイの妻となる少女である。
「...ッ!?!?!?」ビビーーーン!!!!!
―――そして、オオダイの初恋の相手でもある。
[三日後]
「さて、心変わりしたかな?」ガチャ
「トノ...ジジイ!早く俺に冒険させろ!!」
「...予想以上だ、何をしたんだい?エマ」
「これを読ませたんです」
そう言い彼女が取り出したのは1240年刊行エーコク大冒険白書だった。
「なるほど、
オオダイお前も少年なんだなぁ〜!!!」ワシワシ
「撫でんじゃねェ!!もう動けるんだから早く冒険を!」
「まだダメだな、魔力の修行をしないと」
「ギュウトウ!入ってこい!!」
ガチャ
「俺、トノさんのパシリは嫌だッつって殴りましたよね?まだ懲りてないんですか?」
『ギュウトウ・ミツル』
当時18歳、後にオオダイの
「でもお前、コイツの才能に惹かれて来たじゃねぇか。腐っても『タカシタ』の門下生ってわけだ!」
「『オゴリ・タカシタ』さんの事、血の気の多い戦闘狂バカって言いました?ぶっ殺しますよ?」
「なんだお前!強いのか!?」
「あぁ...まぁ、そりゃあお前の修行相手だしな」
「ならお前を間違えて殺しちゃっても文句言うなよ?俺は最強の能力を持ってるんだ!!!」
「ハハ、謎の自信は思春期特有だな!」ケラケラ
「いや俺は油断出来ませんよトノさん!
コイツ山賊の次期長だったんでしょう!?」
「喰らえ最強大剣「イスヒス」!!!」
「待ッ!ここでおっ始めようとすんじゃねぇ!!」
[To Be Continued....]
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