第11話「8月1日 海湖遠征」
その日は猛暑の始まりを思わせる熱射の空だった
「今回の海湖遠征長のカムツキだ!!
点呼を始める!!!」
トノ推薦班――班長シュローン・エールマ・グルル・ソーナン・ルバイラ
オオダイ推薦班――班長ギュウトウ・コウ・タキタ・ローブ・アバイカール
アッカムイ推薦班――班長イソサンケカムイ・無名の十百神4体
クック推薦班――班長カムツキ・ロシン・ムク・オゴリ・コウサル
オキクルミ推薦班――班長オルル・ガルシア・ドン・ジーク・ビンバーラ
レーノン推薦班――班長スタイロン・マクルス・ヴァイシリ・ハルト・ジョウトウ
アルコ推薦班――カルス・バン・サドリー・ソガイ・ミツキ
「全員居るな!!それでは海湖遠征、
エーコクの門が開かれ、七つの馬車が勢い良く飛び出す。
「ヒャッホーーーーー!!!」
風に乗ってそんな声も聞こえてくる。
「今のはカルス三兄弟の誰かだな、呑気なこった」
「カルス三兄弟って、カルス・バン・サドリーのあまり良い噂を聞かない三人組ですよね?」
「そうだな、何やら山賊と繋がっているとか」
「そんな奴らが何で冒険を許されてるんだ?」
「彼らは手柄を上げているから許されてるんだ」
「ッ.....!(
「そう言えばトノさんって120歳らしいけど、凄く若いよね。なんでなんだろ」
「(エールマ!私それ今言うの不味いと思う〜!)」
「トノ様は生命力が常人と桁違いで強くて多いんだ!!だから若さを保てる!!にわかがッ...!」
「(殺意が漏れてる...)」
「(殺意が凄ェ...)」
「(殺意の塊だな...)」
「(なんだこの殺意...!?)」
「(ほら案の定殺意!!!エールマ〜〜〜!!)」
――――十時間走り続け、夕日が出始めていた。
「なぁエールマ」
「ファ...な、なんふぇしゅかシュローンしゃん...」
「あぁ〜寝たかったら寝てて良いぜ」
一度あくびをしてから答えた。
「いえ大丈夫です!なんですか!!」
「お前、父ちゃんに魔力操作教えられなかったろ」
「ま、魔力操作?」
「はぁ...やっぱりな、お前の父ちゃんの戦いを見たことがあったが...鬼神の様だったよ。
だが、能力と魔力任せの戦い方に見えた、つまりゴリ押しだな。まぁ彼の場合は魔力出力と
「えっと、つまり...」
「お前は父親とは違い、まだそれらが弱い。
だから魔力操作を覚えてもらう。
まずは見てくれ」
「は、はい!」
「最も使う魔力操作は魔力を部位に集中させる操作だ、これは出来るな?」ズォッッ!
「はい...!!」ズォッッ!
右腕に全魔力を集中させる。
魔力は密度の小さい所は揺らめき、密度の大きい所は刺々しく紫色に煌めく。
正直言って、ダンベル百回くらい凄く疲れる。
「上出来だ、俺がその域に達したのは20代の頃...
そして今から見せるのはその五年後だ!!!」
ズォァァァッッッッ!!!
シュローンさんの握り締めた右手に全魔力が集中する。魔力は真紫に輝き、激しく魔力音を立てる。
「す、凄い!これが魔力操作...!!!」
「魔力操作は魔力戦の半分以上を占める技術!!
鍛錬を続ければこの様な芸当も可能になるッッ!」
――――シュローン・ガルドの握り締めた拳の中に、考えうる最高の密度で魔力が詰まっていく。真紫の魔力光は彼の皮膚を貫通して見えるほどだ。
そして数秒後、今にも溢れんばかりの魔力を馬車の窓に向かって放つ!!!
勢い良く射出された魔力は100m先にある大木に風穴を開け、その標的は5秒後に倒れた。
名付けて、
精密操作が可能であり!!更に最高密度を実現した事による圧倒的な
彼が冒険者人生60年で開発した高等技術である!
「エールマ!!俺の弟子はこれの習得に10年掛けただがしかし!!お前の才能ならば馬車に乗っている時間と、この後に待っている海湖での船旅で覚える事が出来るだろうッッッッ!!!」
「で、で...弟子にして下さい!シュローンさん!」
「COME ON!!!BABYYYYYY!!!」
「YEEEEEEES!!MY!!!LOOOOORD!!!」
「(うるせぇよ...馬鹿が......)」
[To! Be! Continueeeeeeeeed!!!!!!!]
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