第9話「馬車」

「馬って....興味深いエロいよな――――」

 

 何を言ってるんだろう...この人は......


「ウマってのはな...哺乳綱奇蹄目ウマ科ウマ属に分類される家畜動物で、社会性が強く群れで生活するんだ...運搬用、農耕、乗用、軍用、競技用などに使われ、乳用、食用にもなってな? 学名は、equus も caballus ともにリトア語で「馬」の意なんだ...」


「すごい早口...」


「野生種であるノウマと近縁であるが、それから分かれた独立した種ではない亜種Equus ferus caballusとみなす説もある......」


 彼の熱は更に上がっていく...蒸気も出ている。


「体長は2.4〜3m程度。体重は300〜800kg程度だが、後述の重種のように1トンを超えるものもある。首と頭が長く、長い四肢をもつ。角はない。各脚とも第3指を残し他の指は退化している。よく発達した蹄を持ち、硬い土の上を走ることができる。尾と、頭から首の上部にかけての鬣だけは長いが、全身の毛は短い。本来寒冷地に生息する動物であるため、比較的寒さに強い反面、基礎体温が37〜38度と高く筋肉量も多いため、高温多湿な気候では熱中症になりやすいんだ....」


「――えっと、あなたが『シュローン・ガルド』さんですね?トノさんに推薦されて今日からお世話になります」


「(エールマ!私、この人怖い!)」


 同感だった。


「あぁ!いかにも、俺が八段冒険者である

『シュローン・ガルド』だ」

  

 今にもボタンがハチ切れんばかりの大胸筋、鼻は赤く、たくましい眉とモサモサというよりモワァ...というレベルの髪と髭。

 そろそろ夏だと言うのに首元がふわふわしている茶色のコートを身に着けている。ふわふわ。


「俺の班所属のグルル、ソーナン、ルバイラにも挨拶しとけよ、海湖遠征での戦友になるんだからな」

「はい!」

「...なんか手料理作ってやろうか?腹減ってそうな顔してるが」

「いえ大丈夫です...ありがとうございます。」


 足早にそこから去り、それからグルルと待ち合わせをしているバーに向かった。


「BAR COOK、そのまんまのネーミングだなぁ〜」


カランカラン

そんな音を鳴らしながら広いバーに入る


「あ!エールマくん!!」

「やぁグルル君、看病ありがとう」


「エールマ様、お久しぶりです」

「コ、コックさん...!無事で良かった....」


「今度こそ、ご注文お伺いしますよ?」

「その声はムクさん!それじゃあ...ハンバーグ!」

「承りました」


 5秒でハンバーグが出てきた。


「実はムクも推薦されてるんです」

「ムクさんも!?」 モグモグ

「実はクックさんに選ばれちゃったんですよ!!」


 ムクさんは嬉々として話す。


「クックさんの班の班長リーダーはあの八段冒険者の『カムツキ』さんで!しかもその班員も、昔「千切り炉心」という異名で八鹿やか藩で名を馳せた『ロシン』さんだったり〜

 同じく八鹿藩で生まれた歴戦の猛者で僕の師匠でもある『オゴリ・タカシタ』も居て〜!それにそれに期待の弟子であるロック・コウサル君とも一緒に戦えるんですよ〜!! 最近17歳になったばっかりなのに光栄すぎる〜!!」


 今日はエラい早口聞くな〜と思った。


「お兄ちゃ〜ん何話してるの〜!!」


 赤いお団子髪の女の子が元気良く言う


「ナンヒです、僕の8歳の妹で、」

「ナンヒも期待の新人ですね、BAR COOKの」

 

 コックさんは冗談交じりにそう言った。


 八鹿藩はエーコクから数百km離れた廃国。

 隣合う国の国徒藩や大進藩と激しい戦争を繰り返し、50年以上前に滅びた。 八鹿藩は一撃必殺の剣技が特徴の剣士を多く持っており、三大藩において随一の攻防力を誇っていた。

 トノも八鹿藩出身である。

 


 BAR COOKを後にし、次は"ソーナン"さんという人の元へ向かった、彼は鍛冶屋に居るらしい。



「ん?あぁ俺がソーナンだ」

「人じゃねェェェッッッッッッッッ!!」

「うわァ、凄ェ叫ぶなァお前の十百神カムイ!」


 いや...俺もアペカムイとは同じ気持ちだ...


「――あの、なんで虹色に激しく輝いている鎧......?が無人で動けているんですか?

 透明人間とか...?幽霊の類...?」


「君の疑問は二つだな?

まず"何故虹色なのか"を答えよう。

未来では何にでもゲーミング色にするのが流行っているんだ、だから鎧はゲーミング鎧にしている」


 疑問が新たにもう二つ増えた。


「そして二つ目は"何故無人で動いているのか"だな? 答えてあげようシティボーイくん。」

「アガリ・エールマです...」


「私の本体はこの胸に付いているチップAIだ、

 君はチップもAIも知らないだろうが...まぁ人工の小さき大天才と思ってくれ。 チップわたしは高性能でな、何に付けても同化して動かせるんだ。

だから身の回りで一番強そうな鎧と同化した。

 そして私は発展途上の技術である時間渡航タイムトラベルに失敗し、"大冒険時代"前に遭難した。 識別番号1729をわざわざ言うのは面倒くさいので『ソーナン』と名乗っている。

 あと私は電気...まぁ君にも分かる様に言うと、雷みたいな力だな。 それを使って動くんだがこの時代にはそれが無い。 だから...」クルッ


「この背中に付いている手回し発電機を回して動いているというわけだ。」


 かなりメンタルが強い事だけは分かった。


  [To Be Continued....]


―――――――――――――――――――――――

神の声「最初のシュローンがしたウマ話は全て、

未来の技術wikipediaを使わせて貰いました。

[未来の技術wIkipedia引用]って事です。」


エールマ「ゲーミング色ってなに?」

ソーナン「さぁ...知らね」

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