第5話「役割」

[エーコク王座柱塔門―最上部]

「六大冒険者様へ伝令に参りました!!

[好きにやれ]だそうです!」


「伝令?珍しいな、サンキュー」

 モノクルと小さい帽子を身に着けている男はそう言った、名前はクック。

(クック様に返事された....!感激......!!!)


「てかオオダイはー!?あまり無い六大冒険者大集合の命令なのにいねーじゃん!!」

 傷面スカーフェイスの巨漢はそう言った、名前はアルコ。

(アルコ様今日もかっこいい...!!)


「オオダイは今魔王と闘ってる、さっき空中でヤリ合ってんの見えた。あとなんかトノの命令で息子も連れてきたらしい」

 髭が生え、薄毛で、威厳とスーツに身を包んだ男はそう言った、名前はレーノン。

(レーノン様、カリスマすぎる....!!!)


「なんだと!?」「それやばくねー!?」

 アルコと、赤髪の好青年の男がそう言った、

名前はオキクルミ。

(オキクルミ様...イケメン過ぎる!!)


「(オオダイの息子...エールマ君...探さないと)」

 茶髪の女は思考していた、名前はアッカムイ。

(アッカムイ様の横顔が高嶺の花過ぎる!!)


「おい、今見えたのはトノ様か?

それに強い魔力反応が四体、四魔界か」


「うし、決めたっ。

じゃぁ俺・クックがトノの加勢、

レーノン・アッカムイ・オキクルミ・隠のお前!がオオダイの加勢なー」


(え、えぇ!?俺もォ〜!?)


「私は用があるから、それを済ましてから行くわ」


「よし、じゃあ」


「「「「「解散!!!」」」」」――――――


[中央街]


(エールマ君...どこなの!?)

 茶髪で十百神の女は焦燥を感じていた。

 彼女は『ユートグリラ』で主に活動していた、

勿論オオダイ・アガリとも何度か会っていた。

 その度に幼き頃のアガリ・エールマと触れ合ったり修行を手伝ったりしたものだ、彼の母親とも最期の時まで仲が良かった。オオダイ・アガリに六大冒険者集合の令を送ったのも彼女だ。

「あの子は、あの子は.....!!!」

 アッカムイにとってエールマは、密かに弟子の様に思っていた。

『彼女は長い人生において二度弟子を亡くしている』

「(まただ...また幻聴が)」

『幻聴では無い、私は存在する。』

「黙りなさい!!いっつもなんなのよ!!!」

『ウフフフ、また私に気を取られて大事な大事なエールマちゃんを見落としかけてるけど?』

「....ハッ!」


「う、うわぁ!何言ってんのか分かんねェ!

凄くキメェ!!なッ!!!!!」

 

 あれはエールマ君!!の飛び蹴り!!!

しかし、あのガスは........。


「お前...何をした―――!!」


 やっぱり、吸ってはいけないガスだったのね。

普通に助けてもいいけど、どうせだから呼ぼう


「私急ぎの用があるんだ。

前々から気になってたもんね、イケる?」

「う、うん!アッカムイさん!」

「またいつか会おうね、アペちゃん」


 さて、私は今直ぐオオダイの加勢に行かなければならない。最短で行くには、これを使わなければ。

「『御正斬みしょうざん』!!」

 この槍は空気を操るッ!!それを意味する事はつまり、『空中浮遊エアサンポ』!!!


ズアーーーーーーッッッッッ!!!


「1000m! 800m!! 300m!!! 50m!!!!」


 何かがおかしい...目的地から魔力の反応が無い。


「着い、なッ!?」


レンガジャングルから抜け、目に飛び込んだ光景は

瓦礫の山、

傷だらけで立ち尽くすレーノンとオキクルミ、

死体の魔帝伏魔殿まていふくまでんかくし、オオダイ・アガリだった。


[To Be Continued....]

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