第4話「炎の海」

「「「「契約コントラクト!!」」」」

 

 アペカムイはそう言うと身体の炎が激しく揺らめく。


「ハハハ!凄い、凄いぞ!!相性もバッチリ、やはりお前を選んで正解だった!!」


 喜んでくれてるみたいで良かった、

「ボゲェ!!ウポォアロロ!!!!」

 勢いよく吐いてしまった。

 恐らく俺はもう死んでしまう........。


「礼を言うぞアガリ・エールマ!!

直ぐに戦いを済ませよう!お前を治してやる!!」


「マザコ!」

「アプカンカムイ、お前は昔から嫌いだったんだ!!海湖デビルマウスは楽しかったか!?良かったな!」

「スノェーーーー!!」


 天然痘の敵性十百神ウェンカムイは突進する。すると激しく揺らめくアペカムイの炎は密度を増し、蒼く輝く。


「ここは炎天下、日の照る地、干からびた空」

「条件は揃っている」

炎矢えんや

「「そう」」

炎天えんてん

日照地あまのてるち

干空かんくう

日神威ひのかみ


「カッ!」

 避け切れない天然痘の敵性十百神ウェンカムイは魔力で防御をする。が、


「―――敵が燃え尽きた....!!」

「久しぶりの切り札ひっさつわざは疲れるな。

よし、じゃあエールマ、治すぞ!」


 アペカムイは僕の身体に触れ、二人の全身を炎で包む。さっきとは違う、優しく温かい炎で。

 すると身体の疹は消え、徐々に頭や視界が鮮明になっていく。


「ま、ママ.......!」

「気持ちの悪い事を言うんじゃ.....」

「いや、そうだな、お前はまだ15か。

まだまだ童だ、いっぱい泣けよ」

 

 僕は炎に包まれた時から目に涙を浮かべていた。


[エーコク南門街]――――

 よう!俺の名前は「ミシルダ」!!俺はかくしという者で、主に偵察や情報伝達を担う役割だ。

まだ新人だ!頑張らなければいけない!

シュタッ「トノ様!!指示を!!!」

 

 伝令を貰おうと、走るトノ様の周りを八人が囲む。

 

 するとトノ様は短い思考の後に重く口を開き、

「シュローン・ガルド及び同班のグルル・ソーナン・ルバイラはミルク地区、

ギュウトウ・ミツル及び同班のコウ・タキタ・ローブ・アバイカール・スギアはゴカイガ地区、

イソサンケカムイ及び同班所属の十百神カムイはズズツ凱旋門、

カムツキ及び同班のロシン・ムク・オゴリ・コウサルはエーコク首都バンダット、

オルルとガルシアはドンビー地区とガッシュ地区、

スタイロン及び同班のマクルス・ヴァイシリ・ハルトはセツゾウ地区、

トゥドゥック及び同班のカルス・バン・サドリーはザンターク地区を」

 

 俺以外のかくしはそれを聞いた瞬間飛び立った。


「と、トノ様!!私は何の伝令をすれば...!」


「他は居ないから大丈夫ヨ〜」


「えっ、あの、ろ、六大冒険者様達は...!」


「....?あぁ君新人か...じゃあ知らないわな。

よし、君には六大冒険者への伝令という大仕事を任せよう!」


「あ、ありがとうございます!!!

で、その内容とは...?」


――――好きに、やれ。


 [To Be Continued....]

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