第3話「カムイ」
父と共にバーから出るとそこには
「お主が『オオダイ・アガリ』か、光栄に思え...
余はお主をトノの者と同等以上に警戒している」
「あァー?意味分かんねェよ、誰だお前」
「余の名は
「―――ッ!!」
こいつが...魔王――――!!!
身長は
「お前達冒険者は余の下僕に偵察させていた、
お主の能力は「羊毛のような気体鎧」と「大剣イスヒス」だろう?『鬼神王者レヌ・テロ』よ」
「それは俺が全盛期の頃に言われてた異名だな、少なくとも二十年前から見やがってたのか。
気持ち悪ィ王だな」
「エールマ、お前は此処から逃げろ。
ここから先は見てる事さえ危険だ...
お前は出来るだけ人を助けろ」
父がそう言うと魔王の周辺から赤い霧が出現し、
禍々しい魔族達が現れる。
「
な、なんて魔力の圧...!?
「はよ離れんけ!!」
僕は父の気迫に押され其の場から離れた。
「ハハ!充分、俺の相手としては役不足ではねェな
『
後ろを振り返るとそこにはもう誰もおらず、さっきまで居た所は更地になっていた。父の言うことは本当だった、少しでもあの場に居れば....。
「ッ!!」ザザッ
「カ?オヤハヒッコーア!」
走り続けると異形の化け物と鉢合わせた。
腐った木の実の様な赤く丸い胴体は浮いていて、不気味な目と身体から飛び出る臭いガスは不快感を表す。話には聞いていた、魔力とはまた違った力を放つ悪い神、コイツが
「お前が
父さんとの修行で殺意ってのはある程度感じ取れるようになってるんだ、お前ダダ漏れだよ。」
「ヌアゲアヒヲガキムチツハウスヌラットソアベテシロレ」
「ハハ、何言ってるか分かんねェ、
なッ!!!!!!」ドスッ
「ウトェ!」プスゥ
臭いガスを吹き出しながら
ちゃんと蹴りは効いてるみたいでよかっ....
「な...!?」
身体が重い、倦怠感だ、熱も出ているのか?
思わず倒れ込んでしまう。
「お前、何をした?」
恐らく安易にガスを吸ってしまったのが悪かったのだろう、気づけば身体に多くの丘疹が出来ている
「これは...天然痘だ――――――!!!」
魔力も上手く出せない、そういえばお母さんも天然痘で死んだんだったな。
「よりによって天然痘かよ...」
ここで、死んじゃうのか?――――
「弱く、そして惜しい、幼子から修行を積み才能も充分にある人間も、この程度で倒れてしまうとは」
少女の声...
「顔を上げい」
見上げるとそこには薄着なのにも関わらず炎に身を包んだ、不思議と安心する印象を持つ少女が居た。
「.......可愛い」
「そんな言葉で私が喜ぶと思うなよ」
「ジャミセレニ!イペキメウ!!」
天然痘の
「ダミロ!ケタクヤウアダラカモェ!
ケシッチクハムムトェニキカスユガット!」
と言い返す。何を言ってるかは分からないけど。
「おいお前!私と契約しろ!!名前は!!!」
「え、えっと」
「急げ早くしろ!」
「あの、契約って」
「あくしろよオオオオオ!!!
質問を質問で返すんじゃねェェェェ!!!」
けっこう....やばいこなのかも......
「アガリ・エールマです...」
「私の名前はアペフチ!アペカムイとでも呼べ!」
「「「「
[To Be Continued....]
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