第10話 2008年7月29日(火)稲ちゃんと風鈴

第一集 コンコン山物語 2008年7月ジオログより

2008年7月29日(火)稲ちゃんと風鈴

2008年7月29日(火)稲ちゃんと風鈴


神具屋の軒先に、ガラスの狐風鈴がつるしてあります。


いつも、稲ちゃんは、おっきして、伸びをしていると、目にうつるものです。




ちちりりんちちりん♪


ちゅちゅんちゅちゅん♪




風鈴にあわせて、雀が鳴いています。


稲ちゃんもなくことにしました。




ちりりんちりん♪


ちゅちゅんちゅちゅ♪


こんこーんこん♪




ちりりりんちりりんちりん♪


ちゅちゅちゅんちゅちゅんちゅん♪


こんこーんこーーんこんこんこん♪




そうやって遊んでいたら、神具屋にお客さんがやってきました。


稲ちゃんは、お耳をぴくぴくしながら、お客さんの話に耳を傾けていました。




「このこれ、どうなん?」


「あー、それかわいいやん。」


「コンコン!」




稲ちゃんは、お客さんの所まで、なきました。


お客さんは、稲ちゃんにコンコンとかえしてくれました。




稲ちゃんの喉をごろごろしてくれました。


また、ぽっと稲ちゃんの尻尾が明るくなりました。




あたたかいともり。


お客さんは、別のお店に行ってしまいました。


稲ちゃんは、また風鈴を眺めて、お昼を過ごしました。




稲ちゃんを神具屋のおじさんがよびました。


とっとこコンコン、たったかコンコン。


稲ちゃんはふわりと尻尾を垂らすと、おじさんの手をなめました。


「くすぐったいやないか。」


「コンコン♪」


稲ちゃんのお昼は、水とするめでした。


コンコン山がいっそう、太陽の光が増しました。


きらきらと鳥居や川が照りました。




もうじき稲ちゃんのおでかけタイムがきます。




おしまい。





作成者 凪ナル : 2008年7月29日(火) 12:05

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