第62話

さ迷っていた視線、は。



かちり、と、空中で合わさる。



そうしたら、もう…



「…会ったばかりの、こんなおばさんに、やさしいな、と、思って…」



「海乃さんは、そんなんじゃないでしょ」



打って響くような速度で、返される。



自分のこと、そんな風に言う必要、ない。



海乃さんは、キレイ、だよ…?



伊織くんのコトバが、耳の奥でずっと、響いている…




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