第42話
「…家…、」
「うん。家」
私のコトバに、繰り返した彼のコトバが響いた。
「…あの、実はまだ、行ったことがなくて…」
「…行ったことがない、とは…?」
…あの…、間取り図だけで部屋を決めて。だから今日、初めて、で…
……、まじ…?
前髪に隠れた両瞳が、一瞬、丸くなって。
不覚にも、どきん。と、する。
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