第33話

「…ひでー、そんなにびっくりすることないでしょー」



抑揚が薄い、独特の口調。



金髪の前髪の隙間から、黒い瞳が私を見つめている。



「…あーあー、せっかく乾いたとこだったのにー」



そんなとこに座り込んだら、風邪引きますよー?



当たり前のように、目の前に差し出された、てのひら。



…この手を、掴んでいいんだろうか…



一瞬で、たくさんのことを、考える。



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