第22話
外観と同じで、良くいえばレトロな、つまりは古くさい店内。
年季が入った、花柄のソファーや、透明な薄茶いろのシャンデリア。
きょろきょろと見回していたら。
「…古くさい店っすよね」
タオルを右手に持った、彼が言った。
「…いえ、そんな、こと…」
「オレもそー思ってるんで」
言いながら、私にタオルを手渡してくれる。
彼の前髪からも雫が、垂れていて。
「…あ、あの、あなたが拭いたほうが」
「いや、あなたのほーが、びしょびしょなんで」
軽く押し返したタオルを、押し返される。
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