第10話

素直に、後ろを向いたら。



「シャツ。外して…?」



じゃ、ないと、つけらんないでしょ。



耳もと、で、ささやかれる。



作戦。だ、と、思う。



すべて、すべて。



その声が、私の動きを封じるの、には。



十分すぎる威力を持っているというのに。



わかっていてわざと、私の動きを封じるの、だ。



案の定、固まって動けなくなった私、に。





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