第9話
「…返して…ッ…」
裸の上半身に、シャツを当てながら右手を伸ばすも。
「つけてあげよっか?」
オレ、外すのもつけるのも上手、だよ?
くちびるの端をあげて、笑ってみせた。
「いいから、返してってば!」
「いーじゃん、いーじゃん。ほら、後ろ向きなってー」
私のブラジャーを持ったまま、ベッドへ半歩、近づく。
早くー、コーヒー、冷めるよ?
そのひと言、は、私の思考を瞬時に素直にさせる。
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